2010年ショパン生誕200年という事でずいぶん沢山のショパンの曲を演奏するアルバムばだされましたが、これ企画のしてわざわざとはちょっと違う、Nahornyはすでにショパンを演奏しているわけでショパン弾き(ポーランドのピアニストはみんなこうかと思ってしまう)がこの年に普段の思いをグループで演奏しただけ、だけどポーランドのショパンなのだというアルバムです。
ウラジミール・ナホルニーのピアノトリオにウォイチェフ・スタロノヴィッチのテナーとソプラノ、それにヴォーカルとヴァイオリンが二人が加わったsextetの演奏で、CD2枚の充実アルバムです。
ピアノの緊張したフレーズから、ショパンの知っているフレーズに入っていくのですが、まるでライヴを聞いているよな最初からのテンションです。
これショパンだけど、ジャズであり、ロックでありポップなのです。まさにポリシュでしかできないであろう演奏、内容があまりにすごいので箇条書きにしてしまいます。
まずショパンの曲を元がありながらこう変化してしまうのかという、驚きとおかしさが楽しい。
2ヴァイオリンがジャズ・ロックでこれドラムスのBiskupskiが効いているのです。
3テナー、ソプラノを吹いているWojciech Staroniewicz 、これが良い音、フレーズでちょっとマイケル・ブレッカーを思い出させます。見た感じもこうです。


2曲目はよく知っている曲「ありがとう、大田胃散、いい薬です。」プレリュード胃腸調なので日本人には冗談音楽みたいに始まりますが、これが冗談でも良い、それをおしきるクレズマーのはいいた土着の強さというか、ショパンは土着、いえ失礼ショパンがポーランドの音楽人の血になっているのですね。
3っ目の魅力はナホルニーのピアノの音と調子、ショパン弾きとかきましたが、これがポーランドのピアニストです、ピアノに真正面で対峙して鳴らしているような潔さがあります。
4っつめ、ベースのボクダノビッチさんのベース・ソロが素晴らしい、彼がリーダーをしているアルバムを記事にしようとずっと思いながら出きっていない、そしてらこんなに凄いソロ(3曲目)を聴かせてくれました。
5つ目はポーランドらしい、JAZZ時代がなぜか渦を巻くように一緒になっているような感じで、ヴォーカルのスキャット・アレンジなどはフッとダブル・シックス・オブ・パリスまで行ってしまうのですが、それを平気で演っています。
6つ目、ショパンの曲がほとんどですが、さすがに美しいところ、荘厳なところ、哀愁こもったところと、もしかするとやはりこれが一番なのかも知れません。
4曲目のテナーソロ、これ凄いです、これ生で聴いたらゾクゾクするでしょう。
それにスキャットが絡んできたり、このアルバムそのエネルギーからして、ブラジルのエルメール・パスコアールににていて、音楽の取り込んで再放出しているJAZZをというよりが、ショパンのエネルギーがSFのように変換しているのを楽しむのが一番良いと思うアルバムです。
1枚目6曲目でのテナーはまた良いけど、ちょっと2枚目がおとなしいのが残念です。
Chopin Genius Loci
Wlodzimierz Nahorny (p)
Dorota Miakiewicz (vo,vln on CD1-3,4; CD2-3,4)
Henryk Gembalski (vln)
Wojciech Staroniewicz (ts,ss)
Mariusz Bogdanowicz (b)
Piotr Biskupski (ds)
Disc 1
1. Usque ad Finem: Preludium e-moll op. 28 nr 4 (F. Chopin)
2. Optima Fide: Preludia: A-dur op. 20 nr 7, c-moll op. 28 nr 20 (F. Chopin)
3. Anima Mundi: Fantazja na tematy polskie A-dur op. 13 (F. chopin)
4. Uno Animo: Fantazja na tematy polskie A-dur op. 13 (F. Chopin)
5. Post Tenebras Lux: Preludium h-moll op. 28 nr 6 (F. Chopin)
6. Życzenie op. 74 nr 1 (F. Chopin, sl. S. Witwicki, tlum. R. Swingler)
Disc 2
1. Prozno Plakac: Mazurek nr 1 (W. Nahorny)
2. Sub Rosa: Mazurek a-moll op. 68 nr 2 (F. Chopin)
3. Mazurkas 13: Mazurek nr 13 (R. Maciejewski)
4. Dwojniak: Mazurki nr 12 i 14 (R. Maciejewski)
5. Potrojniak: Mazurki: g-moll op. 24 nr 1 (F. Chopin) nr 1 (R. Maciejewski), op. 50 nr 1 (K. Szymanowski)