JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

ラブカは静かに弓を持つ 安壇美緒 著

2024-08-10 14:11:03 | 


本の外表紙を見てもわかるようにチェロを弾くこのものがたっりだろうと借りてみた。今年の本屋大賞の候補作だった。
全日本音楽著作権連名に努める橘樹という25歳の男が主人公でこの子は5歳から13歳までチェロを弾いていた。あることでチェロをやめていたけれど、大手音楽教室を運営するミカサの教室にスパイとして通うことを支持される。音楽教室での著作権料の支払い問題での教室の授業内容の調査目的だった。
教室に通うようになって、やがてチェロの魅力にひかれだし、という話。
この本もちろんチェロということでかりただけど、あまりこの主人公には思い入れが持てなかった。子供のころの体験(誘拐されかけた)がトラウマになっていて、性格もストレートということがなく、不眠症、引っ込み思案でどうも暗い。そしてしていることは教室での行使の盗聴と素直なチェリストとは言えない。
この作家が実際にチェロを弾くかどうかもちょっと疑問で、もし引くとなればもうすこし、演奏のことが表現されたような気がする。
でもチェロの小説なんてすくないからまあ、楽しめた。

一か所チェロのことの記述で心に残った個所。

 「 そして運指に気をやり過ぎない、と浅葉(チェロ講師)が手本でチェロを弾く。
  とにかくチェロは弓なんだ、というのが浅葉の口癖で、もう何度、同じセリフで注意されたかわからない。」

これは頭にいれておこう。
  
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改めて向かい会う Tributes / ANTONIO FARAO

2024-08-08 09:55:48 | 聞いてますCDおすすめ


アントニオ・ファラオのリーダー・アルバムは久しぶりで10年ぶりだろうか。
参加アルバムでは5年前にこれがある。



PASSERS of TIME

このアルバムではSylvan Beufのサックスが入っている。彼のリーダー作でも前作はJoe Lovanoがメンバーだった。



2013年 「EVAN

ピアノ・トリオとしてはその前の作品にさかのぼる。



2011年〈「DOMI

だから今回は14年ぶりのトリオ・アルバムとなる。ベーシストのジョン・パティトゥッチ、ドラマーのジェフ・バラードという強力な取り合わせとなっているし、クリス・クロスから出すのは初めて。「DOMI」が息子に贈るアルバムで、ちょっと慈悲の感じが多かったけれど、今回はどうだろう。

1曲目、アルバムのタイトルにした”Tributes”にどのような意味をこめたのだろうか。私は最初のテーマのメロディーからマッコイ・タイナーをおもいだした。ジョンとジェフのバックはピアノの熱に同調するように熱くなり、ベース・ソロも熱い。
2曲目も煌めくようななピアノが、同じく煌めくバックにささえられる曲。
3曲目も引き続いて、グルーヴ感のある曲調、疾走するピアノ・ラインは、これが凄い。このアルバム、タイトル名からして、ファラオがジャズの本流に改めて向かい合うことを決意したとアルバムではないだろうか。
それだから4曲目、コール・ポーターの曲も、挑戦のような気迫がこもっている。
5曲目はバラッドになって、しかしここでも高いピアノの音がキラキラして美しい。
6曲目”MT"はマッコイ・ターナーへのトリビュート、最近、モーダルにこう弾くピアノが少ないので嬉しい。
7曲目はどうやらミッシェル・ペトルチアーニに捧げた曲の様だし9曲目はももちろんウェイン・ショーター。そして最後はチック・コリアの大好きな”マトリックス”にするなど、何とも嬉しい選曲。
このアルバム、アントニオがトリビュートとするジャズに、気持ちを込めて改めて向かい会った作品だと思う。


Tributes / ANTONIO FARAO

Antonio Farao – piano
John Patitucci – bass
Jeff Ballard – drums

1. Tributes
2. Right One
3. Shock
4. I Love You
5. Tender
6. MT
7. Memories Of Calvi
8. Syrian Children
9. Song For Shorter
10. Matrix
Recorded on July 26, 2023 at Studio de Meudon, Paris
2024年作品tes / ANTONIO FARAO
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35年の熟成 HINDSIGHT Live At La Seine Musicale / ENRICO PIERANUNZI

2024-08-06 16:14:25 | 聞いてますCDおすすめ


エンリコ・ピエラヌンツィ(p) ,マーク・ジョンソン(b)、ジョーイ・バロン(ds)のトリオの新しいアルバムがでたので、これは買わないわけにはいかない。

結成35周年を記念して2019年12月仏パリで行なわれたコンサートの模様を収めたライヴ・アルバム。録音エンジニアはステーファノ・アメーリオ。
このグループのアルバムは今度のを含めて9作になる。
最初の録音が1984年2月になる。



ここではトリオ名が「Timeless Piano Trio」となっていてオランダのタイムレスからリリースさらた。

それから17年たって、同じメンバーで「CRRENT CONDITIONS」が3人名義の名でCAMJAZZから出て、以後7作が同じレーベルから出ることになる。



まさに互いの相性の良さということが頭に浮かぶ。ピアノを聴く。ベースを聴く。ドラムスを聴く。トリオを聴く。そのどれもがそれぞれに美しい。今回このメンバーのアルバムを並べているのだけれど、このアルバム、一番美しいのではないだろうか。ステファノ・アメリオのおかげがあるのかもしれないけれど、何ともしっとりとしたピアノに、優しいベース、際立ったドラムス、美しい1夜が記録されたと想おう。
今回のリリース、録音から5年も経っているけど、CAMからのリリースでは珍しくない。「AS NEVER BEFORE」は4年、「DOREM DANCE」は5年後のリリース。だから
ただただ、これを出してくれたことを感謝したい。
内容についてはただ一言、結成35年で熟成されたと思う、最上のワインのようだ。

HINDSIGHT Live At La Seine Musicale / ENRICO PIERANUNZI

Enrico Pieranunzi (piano)
Marc Johnson (bass)
Joey Baron (drums)
2019年12月13日フランス-パリのオーディトリウム・ドゥ・ラ・セーヌ・ミュジカルでのライヴ録音

1. Je Ne Sais Quoi 6:54
2. Everything I Love 5:28
3. B.Y.O.H. (Bring Your Own Heart) 7:23
4. Don't Forget The Poet 9:16
5. Hindsight 7:27
6. Molto Ancora (Per Luca Flores) 5:54
7. Castle Of Solitude 5:21
8. The Surprise Answer 6:00




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オリジナリティの確信 PHOEMIX / LAKECIA BENJAMIN

2024-08-04 14:31:23 | 聞いてますCDおすすめ


サブスクのおかげで知らないミュージシャンを簡単に聴くことが出来る。
多くの新しいサック奏者が登場するけれど、残念ながら、驚くことは少ない。
どっかで見て面白いかもと聞いたら、久しぶりに驚いた。
以前驚いたMette Henrietteの時に似ている。
こんどのアルバムの奏者はアルトで驚くほどのオリジナリティを持っている。
ネットで聞いて良いので、せっかくだから、一番新しいのをと買ったのがこちら。
2023年1月にリリースされているから今年の10枚には入れずらいか。
マンハッタンで生まれ育ったレイクシア・ベンジャミンはコルトレーンの音楽をリスペクトするプロジェクトで素晴らしい音楽を創造しているが、その中2021年9月、クリーブランドでのライヴを終え、車で自宅に戻る途中の大きな交通事故にあう。そこから復帰して作ったのがこのアルバム。それだからタイトルが「フェニックス」
彼女の音楽のオリジナリティを絶賛するTerri Lyne Carringtonがプロデュース、Georgia Anne Muldrow、Dianne Reevesらがゲスト参加、ウエイン・ショーターの話声などが入れられている。いかに多くのミュージシャンが彼女を認めているかが理解できる。

1曲目、サイレンの音と銃で始まるのは、2年前の突然訪れる混沌、身の回りに起こる不可解を表現する。
2曲目”New Mornings”はそんな混沌の中の新しい朝、ある石で半かは起きるという彼女の強い意思、Josh Evansのペットと続くレイクシアのアルト、そして二人のユニゾンに強く表現される。
そしてそれが”Phoenix”へと続く。彼女のアルトは再生への強い咆哮となる。
4曲目はダイアン・リーヴスが歌う”Mercy”そこにある平安を諭すように、これもリクシアの曲、曲にもそれぞれの主張を強く感じる。
こうやって主張は進むけど6曲目のSonia Sanchezという女性が語る詩は残念ながら解らない。
7曲目バックを務めるベーシスト、Ivan TaylorとドラマーのEJ Strickland 、ピアノのVictor Gould、がかなり良い、まさにマンハッタンの今のミュージシャンだろう。ちなみにどあまーはテナーのマーカス・ストリックランドの双子の兄弟。
10曲目”Trane”はコルトレーンに捧げられた曲、前作「Persuance The Coltranes」も素晴らしい作品で、グラミー賞にも3部門ノミネートされた。持ってても
良いような気がしてきた。
11曲目、ちょっとオ―ネット・コールマンを思わせるフレージング、ただこの人ソウル系のバンドでスタートしているので、底流にあるものが理解しやすいよううに感じる。
ちょっと古いアルバムだし、知っている人には何をいまさらとは思う。ネットで聞く聞き方がふれたので、こういう発見ができるようになったのだろう。
自己の主張をはっきりとすることのできる素晴らしい才能が出たと思う。

PHOEMIX / LAKECIA BENJAMIN

Lakecia Benjamin – saxophone, vocals, synths, sound design
Victor Gould – piano, organ, Rhodes
EJ Strickland – drums
Ivan Taylor – double bass, electric bass
Josh Evans – trumpet (1, 2, 3, 8, 12, 13)
Wallace Roney Jr – trumpet (7)
Anastassiya Petrova – Rhodes, organ (5)
Orange Rodriguez – synths (1, 3)
Nêgah Santos – percussion (5)
Jahmal Nichols – double bass (2)
Josée Klein, Laura Epling – violin (4)
Nicole Neely – viola (4)
Cremaine Booker – cello (4)

Special Guests :
Georgia Anne Muldrow – vocals, synths (3)
Patrice Rushen – piano (5)
Dianne Reeves – vocals (4)
Sonia Sanchez – poet (6, 7)
Angela Davis – spoken word (1, 13)
Wayne Shorter – spoken word (11)
2023年作品

1. Amerikkan Skin
2. New Mornings
3. Phoenix
4. Mercy
5. Jubilation
6. Peace Is a Haiku song
7. Blast
8. Moods
9. Rebirth
10. Trane
11. Supernova
12. Basquiat
13. Amerikkan Skin Radio Edit


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20年後の日の目 Sepember Night / Tomaz Stanko Quartet

2024-08-02 21:14:49 | 聞いてますCDおすすめ


パリに行った時のことなどを続けて書いていたけど、行く前から新しいアルバムを買ってないわけではない。これはと思うアルバムを買うから、大体誰かが記事にしている。いまさらだけれど、これからしばらく書いていこう。
まずはECMからのトマス・スタンコのアルバム。
スタン子は2018年になくなっていて、今回のアルバムは2004年にミュンヘンで録音されたライブの模様だから20年も前の演奏。
マルチン・ボシレフスキのピアノ・トリオ。
Ⅰ曲目、スタンコのバラッド・プレーをメインにして始まる。2曲目もマルチンのピアノで初めて、っスタンコのバラッド。
3曲目、ストイックなベース・ラインとドラムスをバックに緊張感が増していくステージ、ピアノのソロがとても美しい。
4曲目、ファンタジックなスタンコのフレーズから始まる曲はタイトルも”エレガント・ピース”。
6曲目でインリズムになて軽やかな色彩が強まる。
ただ全体的に、グループのバラッド演奏がメインになったアルバムになった。
なぜ20年たってこの録音がリリースされたか、これは想像になるけれど。
スタンコとボシレフスキはECMの「ソウル・オブ・シングス」というアルバムで2002年に共演したのが最初で以後いくつかのアルバムを作っている。スタンコがボシレフスキのピアノを気に入ったというのが理由だろう。
Kん回のアルバムは2003年録音の「Suspended Night」の月の録音ということになる。



その後、ボシレフスキはアイヒャーにいとめられ、2005年「Trio」を皮切りにECMからアルバム5枚をだす、ECMのピアノの顔になった感がいる。

だからこん回は逆にボシレフスキの売れにのって、ここの録音から選択されたのだろうと想像して納得した次第。
だけど、多くの人が今回アルバムを手にしたように、良いものは出てよしだし、売る方も考えていると思う。

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