蓼科・御射鹿池(みしゃかいけ)~東山魁夷「緑響く」
かつて、蓼科には何度も訪れたが、当時、この池の存在を知らなかった。
近頃、蓼科のシンボルの如く、周知されるようになったのは、アクオスのTV・CMの影響らしい。
御射鹿池(みしゃかいけ)・・・標高1,500mの奥蓼科の山の中にある風光明媚な池。
もともとは農業用のため池として作られ、冷たすぎる八ヶ岳の水を太陽に当てて稲作に利用しているそうだ。
CMにより、御射鹿池が東山魁夷の有名な作品「緑響く」のモチーフになっていたことが明らかになった。
静かな水面には背景の山々の風景や木々が鏡の如く、逆さに映り込み、幻想的な光景を創り出す。
時間、光、風によっても、刻一刻とその表情を変えるのだ。
周囲のカラマツ林も、季節ごとに大胆に色を変えていく。
春には新緑、夏には深い緑、秋には黄金色に黄葉し、そして冬には真っ白な雪と氷に閉ざされる。
東山魁夷がこの池を見つけることができたのは何故だろう。
御射鹿池は奥蓼科温泉郷(明治温泉・渋温泉)へと続く街道沿いにあり、湯治の途上で見つけたであろうことは想像に難くない。
街道沿いにはお地蔵さんが点在する。
彼は、この作品を制作する際、モーツァルト: ピアノ協奏曲第23番:第2楽章に着想を得たといわれている。