二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

涙のただ中に立ち止まるとき  2022-8(2022年7月14日)

2022年07月16日 | 俳句・短歌・詩集
    (2017年1月撮影 オリンパストリップ35) そして涙のただ中に立ち止まるとき 上州の埃まみれの秋がはじまる。 名物の空っ風が吹きすぎる。 太ったゲンゴロウと痩せたミズスマシのあいだを 冨者と貧者のあいだを 老いた女と若い男のあいだを 銀のまな板と錆びた包丁のあいだを きみやぼくやあの人の笹濁りした心が橋渡しする。 ことばはその心から先にはすすめない。 総理だった人の遺体のかたわら . . . 本文を読む
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中里恒子の佳品「水鏡」を読む

2022年07月16日 | 小説(国内)
梅雨に逆戻りしたような天気で気温が下がり、このところ肌寒いくらいですね^ωヽ*  ところで先日、古書店で中里恒子「水鏡」を探しあてて買い、まもなく読み終わりまする。 おいらはネットでものが買えない(買わない)実店舗派♪  幸田文さんに比べると、中里さんの本は本当に少ない。 まだ「時雨の記」の余震が続いている。 「水鏡」は生まれつき目の見えない男が、若くしてマッサージ師となり、やがて三弦の名手とな . . . 本文を読む
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