二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

フジフィルム X20短期使用レポート

2013年07月09日 | Blog & Photo
<アルバム「夜への階段」より カメラ:X20>


<問い>
カメラのシャッタータイムラグがいちばん短い、俊足ランナーはどんな機種でしょう。
あなたは知っていますか?
(答えはこのページの下をご覧下さい)

* * * * * * * *

わたしはフジフィルムX10のユーザーだった。そのわたしが、この段階ではやばやと(・・・でもないかな)X20に買い替えたのは、X10に対する不満が、100%解消されるだろうと推測してのこと。
しかし、数日間使った印象では、まだスピードが足りない。
起動に時間がかかる。
シャッタータイムラグも、ちょっと気になるレベルである。
外観はX10にそっくりで、ニューモデルを買ったという気がしない。画質はさらに向上し、このクラスとしてはトップレベルと思われる。
あと一歩なんだな。無理やり点数をつければ80点(ρ_・).
わたしの不満は次期モデル(たとえばX30)でどのくらい解消されるか、しばらくはフジフィルムXシリーズから眼がはなせない、と考えている。


ここでは価格コムのレビューをまねて、9項目の評価基準を設けて書いてみよう。

1.デザイン
往年のレンジファインダー機を意識したこのクラシカルなデザイン! OVFを搭載し、ズームリングは手動式、しかも適度なトルク感があって、感触のまま、意のままになる。それがON、OFFのスイッチをかねているのも、わたし的には○。またズームリングの指標が35�換算で印字してあるのも○。慣れてくれば、視認する必要がなくなり、非常にす速いズーミング操作ができる。

2.画質
X10との比較でいえば、ローパスレスとなって、さらに一皮むけた高画質といっていいだろう。新開発の2/3型 1200万画素 X-Trans CMOS IIセンサーの威力はワンランク上のクラスに迫る解像感をもっている。
これでもう少し暗所に強かったら、いうことないなあ。ISO1600はユーザーによって評価が分かれるだろう。(参考に作例を添付する)

3.操作性
起動はX10よりは速くなったが、メーカーがアナウンスしているほどではない。
また、しばらくスイッチONまま持ち歩くと、省エネモードとなってしまう。この状態からシャッターボタンを一気押しすると、ピンボケになったり、露出オーバーになったりする。

4.バッテリー
はっきりって、非常に頼りない。予備バッテリーを買おうかと検討中。
このあいだおこなった試し撮りでは、384枚で電池がダウン。ちょこちょこ電源をきっていたにもかかわらず・・・である。ただし電源を切っておくと、起動に時間がかかり、スナップショットでとっさのシャッターチャンスを数回逃してしまった。

5.携帯性
電源OFFにしてもズームレンズがボディから約2.5cm出っ張っているので、コンデジとして考えればかさばっている。しかし、わたしとしては、オリンパスのミラーレス機のサブ機として購入したので、むしろ手のひらにすっぽりかくれて、使い勝手は悪くない。
フードやフィルターはアタッチメントを介しての取り付けが可能。フードはあったほうがいいとおもうが、アクセサリーって、けっこう割高。金属削り出しにこだわっているからかも知れないが。

6.機能性
このカメラはなんといっても、フィルムモードが“売り”ということになるだろう。カラーはプロビアモードが基本だけれど、ほかにベルビア、アスティアモードが選べる。
またPRO Neg.Hi、PRO Neg.Std、さらにモノクロームではY、G、Rなどのフィルター効果が楽しめる。
フィルムカメラを使っていたベテランには、理解しやすい機能。
オリンパスのアートフィルターはすっかり有名になったが、他社にも似たような機能をもったカメラがたくさん存在する。
ところがフジのこのフィルムモードはそれらとは一線を画する、興味深いモードである。
わたしのように、デジタルとフィルムを併用するタイプのフォトグラファーにとっては、その隙間のようなところを埋めてくれる、フィルム会社らしいアイデアとして高く評価できる。

またもう一つ、忘れてならないのはOVF(オプチカルビューファインダー)が進化し、シャッタースピードや絞りの設定が画面内に表示されるようになったこと。ただし、視野率(公称)85%で、視差も大きいから、実用性は兄貴分X-Pro-1やX100Sに比べてそれほど高いとはいえない。本格的なOVFの撮影がお望みなら、兄貴分のほうをお使いくださいということだろう。
さらに付け加えれば、112mm望遠側開放F2.8というのが好印象で、いざというとき、ボケを生かした写真が撮れるのは、X10と同じ。

7.液晶
2.8型でこのクラスとしてはやや小さいが、可も不可もない、標準的な液晶画面。白昼屋外ではとても見にくいけれど、そのためのOVFであるということだろう。スナップでは厳密に作画することはないから、まあこんなものだと思っている。

8.ホールド感
グリップというほどではないが、ボディ右前にふくらみがあり、指がかりになる。またボディがザラザラした貼革仕様なので、それほどホールドしにくいとはいえないだろうが、これはユーザーによって意見が分かれるところかも知れない。

9.満足度
フジフィルムのXシリーズは、長兄のX-Pro-1を筆頭に、X100S、X-E1、X20、XF-1と、ラインナップを形づくり、ユーザーの満足度はとても高い。いずれもクラシカルで、シックなデザイン。レンズのラインナップは明るい単焦点中心の展開である。このあたりはわたしもふくめて、ユーザーのマニア心をくすぐってくれる。
ただデモ機をいじり品定めしたかぎりでは、AFのタイムラグが、どの機種も大きめなのが惜しい。こういうカメラで本格的な風景やネイチャーを撮ろうとする人は少ないのだから、スナップシューティングに特化したカメラを目指したほうがいい。X-Pro1はファームアップによって、タイムラグが改善されたらしいが、まだ不十分。
7月末にはX-M1が姿を現すが、この最大のネック・・・シャッタータイムラグをどれほど短縮できたか、わたしは期待している。



※作品はすべてj-pegノーレタッチ。カメラのシャープネス設定は「セミハード」としてあります。

<作例1>ISO1600


<作例1-2>その部分拡大


<作例2>ISO1600


<作例2-2>その部分拡大


<作例3>ISO800夜景特性


<作例3-2>その部分拡大


<作例4-5>ベルビアモードにて撮影





<答え>
ライカのようなレンジファインダー機種または、ローライが代表するような二眼レフが、いちばんの俊足。ニコンF3のようなマニュアルフォーカス一眼レフや、ハッセルブラッドなども速いが、シャッターが走る前に、ミラーを跳ね上げなければならない。
レンジファインダー機と二眼レフは、ミラーを跳ね上げる必要はない。しかも、ピントも合わせなくていいのである。ベテランは「目測&置きピン」という、被写界深度を利用した撮影法が、いちばん俊足だということを知っている。
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