(左にあるのは4年ばかり前に手に入れたわたしのローライフレックス3.5F)
「Vivian Maier: Street photographer」
いずれ日本語版が出るのではないかと様子を見守っていたが、刊行されそうもないので、洋書として買うことにし、友人に依頼してAMAZONから取り寄せてもらった。(わたしはネットで買い物をしたことがないし、ヤフオクにも、手を出さない主義)
前橋にある紀伊國屋書店へいったら、6000円+α、しかもお取り寄せに1ヶ月はみて下さいといわれた(^^;)
送料込みで、友人に支払った代金3500円、およそ二週間で届いた。
クロス装のハードカバー約130ページ、写真集としてはごくオーソドックスな造本である。プリントのクオリティは不満のないレベル♪
1)彼女は野球にたとえていえば、剛速球投手である。人物スナップを撮影するに際して、人とのトラブルも意に介さない。そういう徹底ぶりが彼女の写真群を、特別な輝きで満たしている。しかし、この写真集を眺めていて「おや、たまにはカーブ、フォークボールも投げるんだな」と気が付いた(~o~)
2)このショットを見ると、かなり大柄な女性ではないかと想像される。
したがって、ウエストレベルが基本の二眼レフが、じつによく似合う。35ミリ換算でいえば、35~50ミリあたりの画角で、これだけの作品を残したことを覚えておいた方がいい。
3)発見されたネガ&プリントははじめ10万枚といわれていたが、その後も発掘され、15万枚に達しているらしい。
4)路上に存在するものとしての他者だけでなく、マイヤーは彼女自身を被写体に、かなり大量の作品を撮っている。
セルフポートレイトというと、リー・フリードランダーが有名で、わたしはその写真集をもっている。
こちらが、「Vivian Maier: Street photographer」とは別に編集されたSELF PORTRAITS。
いまどきの女子がよく撮る「自撮り」とは、コンセプトがまるで違う。
「彼女の首には、いつもカメラがぶらさがっていました」という証言があるが、驚くべき構図感覚である。
「カワイイ」とか「キレイ」とか、女子の多くはそういういわば妄念にとらわれる。しかし、彼女のまなざしにはその種の妄念はない。“ストレート”に、己自身を凝視している。そのまなざしは、たいへん強靱な精神力があることをうかがわせる。
フリードランダーと双璧といっておこう。
この写真集も発注したから、2週間もしたら、手許に届くだろう。
5)どなたが指摘していたのか覚えていないが、このコンタクトを見ればわかるように、彼女は大抵「一発勝負」で「その瞬間」をものにしている。そこに、真の“すごみ”がある。こういう力量というか、才能を同時代のだれと比べたらいいのだろう。
6)彼女はニューヨークやその近郊だけを撮ったのではない。世界各地を撮影旅行していたことがわかってきた(-_-)
それをまとめたのが、こちらの写真集「EYE TO EYE」である。
無名のアマチュア=写真愛好家・・・としての域を、軽々超えている。
7)最後になるが、写真集についてひとこと。
「Street photographer」は、数枚のセルフポートレイトがふくまれているとはいえ、スクエアフォーマットによる路上スナップ写真集である。
わたしは写真のセレクトと編集にやや不満を感じた。迫真力が十分つたわってこないうらみがあるのだ。
発見者マルーフが編集作業をおこなったと思われるが、なにしろ15万カットもあるというのだから、別な編集者の手にかかれば、別なインパクトある写真集が出現可能だろう。
彼女はバルナックライカも使っていたことが知られている。そういう意味で、今後どういった写真集が刊行になるか、予断をゆるさないものがある。
ストリートスナップと、セルフポートレイト、海外をめぐる旅の写真。
それらすべてを、だれにも見せることなく、いわば「自分自身」のために撮影する。
そういう行為を、なぜ数十年に渡ってつづけたのだろう。
なぜ・・・なぜ?
(出典は二眼レフ里程標)
彼女のキーワード検索をしていたらこちらに「(マイヤーが)愛用したローライフレックスの検証」という興味深い記事が掲載されているのに気が付いた。
http://31104415.com/blog/vivian-maier-camera/
「ローライフレックスオートマットMX」
写真集の表紙写真でマイヤーがかまえている二眼レフは、この機種だそうである。
参考までに、引用させていただく。
※ ヴィヴィアン・マイヤーの公式サイト
http://www.vivianmaier.com/
作品の一部はこちらからお借りしています。
「Vivian Maier: Street photographer」
いずれ日本語版が出るのではないかと様子を見守っていたが、刊行されそうもないので、洋書として買うことにし、友人に依頼してAMAZONから取り寄せてもらった。(わたしはネットで買い物をしたことがないし、ヤフオクにも、手を出さない主義)
前橋にある紀伊國屋書店へいったら、6000円+α、しかもお取り寄せに1ヶ月はみて下さいといわれた(^^;)
送料込みで、友人に支払った代金3500円、およそ二週間で届いた。
クロス装のハードカバー約130ページ、写真集としてはごくオーソドックスな造本である。プリントのクオリティは不満のないレベル♪
1)彼女は野球にたとえていえば、剛速球投手である。人物スナップを撮影するに際して、人とのトラブルも意に介さない。そういう徹底ぶりが彼女の写真群を、特別な輝きで満たしている。しかし、この写真集を眺めていて「おや、たまにはカーブ、フォークボールも投げるんだな」と気が付いた(~o~)
2)このショットを見ると、かなり大柄な女性ではないかと想像される。
したがって、ウエストレベルが基本の二眼レフが、じつによく似合う。35ミリ換算でいえば、35~50ミリあたりの画角で、これだけの作品を残したことを覚えておいた方がいい。
3)発見されたネガ&プリントははじめ10万枚といわれていたが、その後も発掘され、15万枚に達しているらしい。
4)路上に存在するものとしての他者だけでなく、マイヤーは彼女自身を被写体に、かなり大量の作品を撮っている。
セルフポートレイトというと、リー・フリードランダーが有名で、わたしはその写真集をもっている。
こちらが、「Vivian Maier: Street photographer」とは別に編集されたSELF PORTRAITS。
いまどきの女子がよく撮る「自撮り」とは、コンセプトがまるで違う。
「彼女の首には、いつもカメラがぶらさがっていました」という証言があるが、驚くべき構図感覚である。
「カワイイ」とか「キレイ」とか、女子の多くはそういういわば妄念にとらわれる。しかし、彼女のまなざしにはその種の妄念はない。“ストレート”に、己自身を凝視している。そのまなざしは、たいへん強靱な精神力があることをうかがわせる。
フリードランダーと双璧といっておこう。
この写真集も発注したから、2週間もしたら、手許に届くだろう。
5)どなたが指摘していたのか覚えていないが、このコンタクトを見ればわかるように、彼女は大抵「一発勝負」で「その瞬間」をものにしている。そこに、真の“すごみ”がある。こういう力量というか、才能を同時代のだれと比べたらいいのだろう。
6)彼女はニューヨークやその近郊だけを撮ったのではない。世界各地を撮影旅行していたことがわかってきた(-_-)
それをまとめたのが、こちらの写真集「EYE TO EYE」である。
無名のアマチュア=写真愛好家・・・としての域を、軽々超えている。
7)最後になるが、写真集についてひとこと。
「Street photographer」は、数枚のセルフポートレイトがふくまれているとはいえ、スクエアフォーマットによる路上スナップ写真集である。
わたしは写真のセレクトと編集にやや不満を感じた。迫真力が十分つたわってこないうらみがあるのだ。
発見者マルーフが編集作業をおこなったと思われるが、なにしろ15万カットもあるというのだから、別な編集者の手にかかれば、別なインパクトある写真集が出現可能だろう。
彼女はバルナックライカも使っていたことが知られている。そういう意味で、今後どういった写真集が刊行になるか、予断をゆるさないものがある。
ストリートスナップと、セルフポートレイト、海外をめぐる旅の写真。
それらすべてを、だれにも見せることなく、いわば「自分自身」のために撮影する。
そういう行為を、なぜ数十年に渡ってつづけたのだろう。
なぜ・・・なぜ?
(出典は二眼レフ里程標)
彼女のキーワード検索をしていたらこちらに「(マイヤーが)愛用したローライフレックスの検証」という興味深い記事が掲載されているのに気が付いた。
http://31104415.com/blog/vivian-maier-camera/
「ローライフレックスオートマットMX」
写真集の表紙写真でマイヤーがかまえている二眼レフは、この機種だそうである。
参考までに、引用させていただく。
※ ヴィヴィアン・マイヤーの公式サイト
http://www.vivianmaier.com/
作品の一部はこちらからお借りしています。