自然界にあって「赤」という色は、いちばん人目をひく色である。
信号機の「赤」に代表されるように、警告色、危険色。生物の視神経に突き刺さってくる。
人間の血の色も赤で、赤はいたるところに散らばっていて、強烈な存在感を主張する。グリーン系がやすらぎ、いこいの色だとすると、赤は見る者を興奮させる。
もっとも、マタドールが猛牛のまえでヒラヒラさせる布(ムレータ)は、牛を興奮させるものではなく、闘牛士自身や観客を興奮させるために「赤」が使われているとのこと。
なぜなら・・・牛は色盲だから(-_-)
たとえば、トップにあげたのは、ショーウィンドゥに飾られた花嫁さんのうち掛け。
ただし、赤といっても、外界には多種多様な赤があって、ことばで大雑把に赤といっても、連想する色は、人それぞれかもしれない。
わたしのmixiアルバムから、赤がアクセントになった写真を、何枚かピックアップしてみよう。
グラフ誌の挿絵ではないので、写真一点、一点についてはコメントは省略しよう。
見る人が「へええ、なんだろう? これ」と感じてくれれば、それでいいのである。
かつて「はぐれ雲」という写真集団をやっていて、八年ばかり、毎年写真展を開催していたものだが、そこでは一点、一点の写真には、タイトルをつけないのが、あたりまえだった。
わたしは衣類は赤色はまったくもっていない。
赤に対しては感情移入しにくい・・・というおもいが、ずっとある。
いつだったか、中平卓馬さんが、赤いスカーフやバンダナを巻いているのをみたことがあった。
それをさして「あれが、彼のトレードマークなんですね。いつも必ず、赤いものを身につけている。ラッキー・カラーだと信じている」といった人がいた。
わたしの場合、仕事では黒がメイン。フォーマルというニュアンスがつくりやすいし、汚れが目立ちにくい。もっとも、私用ではブルー系の衣服を身につけていることが多いけれど。
あ、そうそう、いま気がついたのだが、使い捨てライターは、青がいちばん多いな。
迷ったときは、ブルー系と決めている。アースカラーといわれるものは、大抵「好き」かも知れない。
まあ、少なくとも、赤と白は、絶対に「着られない」色・・・という先入観がある。もちろんピンクも(笑)。
若いころ、妻にピンクのワイシャツを着せられたことがあったが、まるで自分が他人になったような違和感があった。
街路で見かける看板は赤がいちばん多いし、印象も鮮明。
都市にある「赤」には、デザイナーの秘められた意図がある。
最後にもう一枚。