のしてんてんハッピーアート

複雑な心模様も
静かに安らいで眺めてみれば
シンプルなエネルギーの流れだと分かる

スケール号の冒険11

2008-06-03 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
外はすでに日が暮れて、夜空に星が輝いていた。夜の町をスケール号は風よりも早く走り、遊園地にやって来た。スケール号はなんの苦もなく遊園地の塀を跳び越えた。 夜の遊園地はまるで地獄のような不気味な場所に変わっている。昼間にはあんなに活気と子供の歓声が満ちた子供の天国だったのに、その生き生きとした場所が、死んだようにひっそり、夜の闇に包まれてしまっているのだ。 メリーゴーランドは暗い洞窟の . . . 本文を読む
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スケール号の冒険10

2008-06-02 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
四、不思議なおばあさん  ぴょんたの耳が地べたまで垂れて、すっかりしょげている。 「ぴょんたのせいじゃないよ。」  艦長と仲間が、さっきからなぐさめているが、ぴょんたには通じないらしい。 「あの時、いやがるピピちゃんを無理やりメリーゴーランドに乗せなかったら、こんなことにならなかったんです。」  ぴょんたはもう、泣き出しそうになっている。 「それにしても奇妙な話だな。」博士が言 . . . 本文を読む
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スケール号の冒険9

2008-06-01 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
「でも、またここでメリーゴーランドを見ていたね。どうしてなの?」 「きっとメリーゴーランドに乗りたいのだスよ。」 「そうだ、もうそろそろ遊園地も終わりだから、最後にこのメリーゴーランドにみんなで乗ろうよ。」艦長が提案した。 「賛成。」 「賛成だス。」 「賛成でヤす。」 「でも、ピピ、乗れない。」 「大丈夫、ほら、ひざの上に乗せて上げるからさ。」  ぴょんたがピピを抱き . . . 本文を読む
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スケール号の冒険8

2008-05-31 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
順番を待っていた、たくさんの子供達に紛れて、みんなも乗り込んだ。カタカタカタカタ、コースターがゆっくり上がって行き、頂上で一瞬止まったかと思うと、一気に滑りおり始めた。至るところから悲鳴が聞こえ、体が浮いたり、横になぎ倒されそうになったりして、まともに目を開けていられなかった。みんなはコースターにしがみついて、そして自然に悲鳴が出るのだった。コースターが終点につくと、子供達はまだ興奮したままで、 . . . 本文を読む
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スケール号の冒険7

2008-05-30 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
「お嬢ちゃん、どうしたの?」艦長が優しく声をかけた。 女の子が振り向いた。真っ黒な髪の毛に、ピンクのリボンをつけて、まんんまるの目がとっても可愛らしかった。 「ピピ、何もしてないもん。」 「でも、ずっとここでメリーゴーランドの方を見ていたでしょう。ピピちゃんはメリーゴーランドが好きなんだね。」ぴょんたが言った。 「ピピ、メリーゴーランドなんか嫌い。でもウサギちゃん大好き。あっ、モ . . . 本文を読む
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スケール号の冒険6

2008-05-29 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
いつの間にか遊園地はたくさんの子供達で賑わっていた。色とりどりのアドバルーンがあがり、花火の音が聞こえ、丸い煙がパッパッパッと空に出来ては風に流されて行った。 ジェットコースターや魔法のじゅうたんが動く度に子供の歓声と悲鳴が聞こえる。もちろん中には大人の太い声が聞こえることだってある。 メリーゴーランドのかわいい音楽が踊っている。  子供鉄道に乗って、遊園地を一周すると、観覧車からは分か . . . 本文を読む
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スケール号の冒険5

2008-05-28 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
三、ピピちゃん  遊園地に来たのは何年振りだろう。艦長もぴょんたも、もこりんもぐうすかも学校の遠足で来て以来の事だ。遠足で来たときには、自由に遊べる時間なんてほとんど無かったように覚えている。 今日は調査のために、一日中遊べるのだ。こんな仕事だったらいつでもいいとみんなは思うのだった。それに、遊園地の開門を列の先頭で待つというのは最高の気分だ。艦長たちの後ろにはいつの間にか子供連れの家 . . . 本文を読む
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スケール号の冒険4

2008-05-27 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
「そうがっかりされては困るんだが、実はある遊園地で、子供が何人も行方不明になっているんだ。警察が調べて特に何も変わったことはないと言うんだが、いなくなった子供は皆、その遊園地から行方が分からなくなっているんだ。その遊園地に何かあるにちがいないと思うんだが手掛かりが何もない。そこで君たちに調べてもらいたいんだよ。」 「なんだか気味が悪いでヤすね。」 「誘拐ですか。」 「どうも、そう言う . . . 本文を読む
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スケール号の冒険3

2008-05-26 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
二、遊園地の怪   授業が終わった後、珍しく博士は、みんなにケーキをおごってあげようと言って、食堂に向かった。 いびきをかいて寝ていたぐうすかは、博士の言ったケーキという言葉に反応して起きだし、よだれも拭かずに博士について行った。その後にぴょんた、もこりん、そして艦長が続いた。 「いらっしゃい。」食堂のおばさんが元気に声をかけた。 「ケー . . . 本文を読む
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スケール号の冒険2

2008-05-25 | 童話 スケール号の冒険(第3話)
今日の授業は心についてらしい。なんだか難しそうだ。でもスケール号は世界探査のためにどこにでも出かけて行かねばならない。だからいろんな勉強をしなくてはならないのだ。 「心でヤすか、そりゃ、この胸のところでヤしょう。」 「では、どんな形をしていると思うかね。」 「丸でヤすかね。」 「いや、きっと四角ですよ。」 「うんにゃ、三角だスよムニャムニャ」ぐうすかは居眠りの中で授業を受け . . . 本文を読む
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