東北に入ってから、向風と出し風で四苦八苦している。
それでも秋田県本荘市に到達。
幸い、東北ではまだ時化にあうという事はないが、出し風で何度か危ない場面もあった。
山形最後の宿泊地は、県境の吹浦。
庄内は、日本三大急流の最上川本流は自然環境が厳しく、沿岸部には縄文遺跡が少ないが、扇状台地には集中している。
唯一の沿岸部での遺跡集中地が吹浦で、県境の三崎から鳥海山と、最上川支流に掛けての沿岸に多いようだ。
縄文人が住みにくい環境は、シーカヤッカーにも過酷。
砂丘が発達して砂まみれの生活となり、水の便が悪いのだ。
山形最後の宿泊地である吹浦。
鳥海山への登山口であり、山岳修験が盛んだったようだ。
吹浦の大物忌神社。
この裏手に鳥海山登山口がある。
酒田市は、北前船貿易で栄えた港町。
京風の古い建物が多く残っており、小京都の趣があって、散歩するだけで楽しい。
NHKのドラマのおしんで有名。
映画「おくりびと」や、たそがれ清兵衛のロケ地でもある。
おしん人形(大)4,300円也!
土産に貰うなら、同じ値段の米沢牛の方が嬉しい(^_^;)
名残りを惜しんで山形から秋田への最後の岬を越えたら、荒涼たる庄内砂漠の風景が突然に緑深い風景の秋田に変わった。
今回の海旅で越えた三つの県境は、全て岩場。
陸路の難所がひとつの文化圏の境界という現場を見聞できるのも、シーカヤック旅ならでわだろう。
秋田県は海から緑の距離が近く、新潟に似た海辺の風景。
少し緑が多く、着実に青い森の国に近づいている感じがする。
秋田県本荘市の子吉川上流の縄文晩期の遺跡からは、ヒスイ出土している遺跡が二ヶ所ある。
三千年前のご先祖が溯った川。
子吉川の東にある本荘海水浴場でキャンプ。
新潟ではシーズンオフの海水浴場でもトイレが使えて水も出るし、東屋がある所が多いので野宿しやすいが、山形や秋田では入口が閉まっていて、水も出ない所ばかり。
東屋があると、テントや寝袋が結露で湿るということも少なく、雨でも干し物や炊事が出来るので有り難い。
本荘海水浴場も水が使えないが、工事の人達が歩いて直ぐに温泉があるなどの情報を教えてくれた。
連日、向風と出し風の海で疲れたので、ここで数日間の滞在をして休憩。