工房に訪ねてきた漁師さんから、生きたズワイガミを三杯も頂いた。
昨年は別の漁師さんからアンコウやブリを頂いたが、海の男のやることは豪快で気前がいい。
クプクプと泡を吹いております。
気持ちを金銭ではなく「贈与」で表し、贈られた側は「返礼品」で表す関係性は、縄文のヒスイ交易もかくあらんと思うのだが、江戸期のアイヌと和人の交易においてのアイヌの考え方もそうであったようだ。
味噌汁、カニみその焼き物、茹でカニとこの晩はカニづくしご飯。
漁師さんにはヒスイ加工の実際を教え、私は漁や海の実際を教えてもらう。
得たものは情報であっても、受け取った以上のお返しをしたいのが人情。
お金を介さない、お金で計ることのできない「贈与と返礼の人間関係」は、ある民俗学の本に親戚扱いの付合いになると書かれていた。
田舎はそんな人間関係が濃密に残っている。