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遺物の実物大モデルで勾玉探偵ゴッコ・・・「勾玉なるもの」を臨作で学ぶ

2025年03月09日 07時15分13秒 | ぬなかわヒスイ工房
時代ごとの勾玉の典型例の実物大モデルの改訂版が完成して、やっと作品つくりに専念できるようになった。
最古級の勾玉をはじめとした有名な勾玉が、10例のうち3例も糸魚川の出土品が含まれていることを、郷土の誇りにしたい。
最初の細長い勾玉は、糸魚川市青海区の「大角地遺跡」出土の縄文早期末(6,000年くらい前)の勾玉だが、胎児形というより獣の犬歯を石でつくった牙玉(きばだま)と解釈しておきたい。
左側のちいさいのが青森市の「朝日山遺跡」出土品で、額部に段差がある典型的な縄文勾玉。右側のでかいのが糸魚川市青海区の「寺地遺跡」出土品で、額部に3本の刻みが弥生時代に丁子頭勾玉へと移行していく過程を物語っている。スリキズが残っていのは実物に似せているからで、手抜きした訳ではないw
 
 
現在つくられている勾玉は、作者の主観で「勾玉ってなんとなくこんなカタチ」といった認識でつくられているものがほとんど。
 
しかし縄文から古墳時代までの勾玉は、カタチに文化的な必然性(内実)があるので、現在の勾玉とは存在感が比べ物にならない、とわたしは思う。
 
現代人の恣意的なデザインは、わたしにはいやったらしく感じて仕方ないから、古典に学ぶことで、個性的であることへの強迫観念から脱却したいのだ。
 
この考え方は書道の臨書からヒントを得て、遺物を忠実につくる「臨作」するようになったことから生まれた。
工房ギャラリーに展示して来客に勾玉の系譜を説明している。勾玉とは!といった独善的なことは言いたくないから、「なにを連想します?」と質問しては楽しんでいる。個人の感想には正解も間違いもないから、十人十色の「勾玉なるもの」の解釈があっていい。
 
勾玉の個性は石に聴けば自ずから滲みでると、現在のわたしは考えている。
 
 
 
 


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