激甚災害の被災者になった時のために覚えておいて欲しいこと
災害関連ゴミの家具の解体について
電動工具のマキタの営業マンによると、被災地で家具解体用に充電式の小型チェーンソーが売れているそうだ。
チェーンソウや丸鋸といった回転工具は、慣れないと刃がキックバック(逆走する現象)する危険があるので要注意!
また通常の粗大ゴミと違い、受け入れサイズに規制のない災害関連ゴミは家具を分解しなくても搬入できるので、分解だけなら大工道具だけで十分だ。
災害ボランティアの先輩の建築のプロに聞いたら、刃を変えれば金属でも木質系でもなんでも切れるレシプロソーが被災地では最も汎用性が高いとのことで、私も18Vタイプを買った(写真は小型の14v製品)。車のドアも切れちゃうそうだ。金属カットはグラインダーもあるが高速回転するので火花が出るので火災の不安があり、刃が前後運動するレシプロソーは火花が出にくいメリットもある。またグラインダーの刃は3センチくらいしか出てないので、切りたいモノなで届かないことがあり、その点でも長い刃が使えるレシプロソーは便利。
実際に私が被災地で家具の解体で使っているのはバール、くぎ抜き、ハンマー、金づちといった手道具がほとんどだ。
上から順に
①長さ60センチのバール
重量物の移動にテコにしたりと解体業者必携の道具で、人命救助にも有用な工具
②長さ40㎝のバール
重さと長さのバランスが家具解体に具合よく、棚や机などの接合部を叩いて外し、隙間に差し込んでグイと動かして解体できる優れモノ。
金具で接合されている場合は、⑤の仮枠ハンマーで叩いて外したり、③と⑥の組合せで外せばいい。
③普通の大工用くぎ抜き
④折れノコ・・・あんまり使わないけど、普通の大工用より刃が厚めなので解体に向いている
⑤仮枠ハンマー・・・解体業者が多用するタフなハンマー
⑥大工用の金づち
以上の中で最もつかうのは②③⑥の組合せ。
軽トラに積みやすくするために丸鋸でカットしたり、インパクトドライバーでビスを外すこともあるが、被災地の解体では滅多に使わない。
ちなみにだが、足場などに使う「単管パイプ」は非常に汎用性が高く、山の中でひとりで丸木舟をつくっていた時など、油圧ジャッキと組み合わせて200キロ以上もある丸太をひっくり返したり、移動させたりと大活躍した。
単管パイプを2本並べてレールにして、短いパイプをコロにすれば、重量物の移動も楽。倒れた家具の下になった人を助ける時などテコにも使えるし、クランプとブルーシートを組み合わせて簡易的なシェルターだってつくれる。
終戦後のグアム島で何十年も隠れていた旧日本兵の横井正一さんは、アウトドア雑誌のサバイバル企画で最新のアウトドアグッズの感想を求められ「これは遊びの道具だね」と一笑し、本当に生きていくために必要なので質実剛健でシンプルな道具と言っている。
それと知恵と昔ながらの生活技術ですな。
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