富士山が大噴火しておきる最悪の事態は?
浅間山の「天明大噴火」に学べば、直接的な被害やインフラが機能しなくなるどころか、世界規模で飢餓や政変がおきることも想像できる。
「防災まいにち」https://www.bosai-mainichi.net/よりお借りした浅間山の天明大噴火の図
天明3年は2年つづきの異常な高温による旱魃で凶作となっていた。追い打ちをかけるように岩木山が噴火し、ついで浅間山が大噴火して甚大な被害をだした。
降灰が日光をさえぎり、江戸時代で最も多くの餓死者をだした「天明の大飢饉」となったが、降灰による冷害は欧州にもおよんで「フランス革命」の遠因になったとする説もある。
中学生の時に、浅間山の「天明の大噴火」の犠牲者の遺骨が発掘され、NHK特集が放送されたが、生々しい犠牲の実態に身の毛がよだったことを覚えている。
群馬県嬬恋村の村人は、噴火の火砕流から逃れるために、高台にある観音堂をめざして50段ある石段を必死に登ったが、石段をあと15段を残す地点で逃げ遅れて犠牲になった方の二体分の遺骨が、おんぶした状態で発掘され、「生死をわけた15段」と呼ばれた。
イラストも「防災まいにち」より
放送当時は、息子が高齢の母親を背負って逃げ遅れたのではないかと推定されていたが、その後に遺体の顔が復元され、よく似た顔立ちの女性二人であることと、火砕流ではなく土石流の犠牲になったと判明したようだ。
富士山は江戸中期の「宝永大噴火」を最後に大きな被害をだしていないが、それ以前に浅間山の「天明大噴火」規模の災害の詳細な記録がないようだ。
高台避難は津波や洪水のみならず、火山の噴火でも必要になる場合もあると覚えておきたいし、最悪の事態を想定しておく必要はある。
オリンピックや万博などしている場合ではない。
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