インパール戦に従軍した学徒兵を題材にした映画をレンタル屋でみつけた。
後に東映社長として大衆受けする戦争大作をヒットさせていく岡田茂が26歳の時に製作した映画。岡田が絶対的な存在として製作をしていた東映の戦争映画は軍国主義を賛美していると批判をうけることもあったが、岡田自身は無思想で「映画に芸術はいらん。なんぼ儲かるかだけだ」と豪語していた。この映画にも時代劇の悪代官のような上官が登場するが、文芸映画の範疇でヒットさせている。
半藤一利さんの追悼番組のなかで、大正時代の学生は「八紘一宇」という概念を笑っていたが、その風潮が一機にかわったのは昭和の満州事変から、との証言があった。
調べたら満州事変から学徒出陣まで17年間。この期間になにがあったかを学校できちんと教えなければならないのだが、サラッと習った記憶しかない。
当初はインテリ層に笑われていた皇国史観が、世界的な帝国主義の時流と合致して国是として絶対化して、日中戦争をへて太平洋戦争となっていく見逃せない期間なのだから、学校で教えるべきだろう。
圧倒的な兵力差と空腹に耐え、上官からパワハラをうけ、泥にまみて死んで、埋葬されることもなく朽ちていったのは「学業なかばで戦場に駆り出されたかわいそうな学生」だけではなく、学校へ行けなかった圧倒的多数の民草はもっと死んでいる。
わたしの祖父も民草として「生き地獄のインパール戦」に従軍したが、飢餓から目がみえなくなった部下を見捨てず連れて生還した立派な人。
戦争について何も語ることはなかった祖父だが、死後に助けられた元部下から追悼の手紙がきて、そのことが書かれていた。尊敬する。
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