縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

脱ジュエリーのヒスイ装飾品、縄文なるもの・・・いざ東京へ!

2020年09月20日 09時00分15秒 | ぬなかわヒスイ工房
経営者の集まりに講演で呼ばれると、かならず「糸魚川ヒスイはダイヤモンドに比べて地味だから、プラチナなどの貴金属と組み合わせたお洒落なアクセサリーを開発しないと海外に売れない」という意見が出てくる。
幅6㎜で三つ編みした大麻を使った勾玉チョーカー(首にピッタリしたサイズの首飾り)
 
そんな時に私は
 
なんでジュエリー業界の土俵に乗せる必要があるのか? なんでダイヤモンドと比較する必要があるのか?
 
たとえ高名なジュエリーデザイナーにヒスイ宝飾品を作らせても、同じ土俵で評価する限りはダイヤモンドには勝てないですヨ。
 
天然資源ヒスイのモノ人気は、ヒットすれば枯渇の危機が高まり、仮に海外で糸魚川ヒスイが売れても、儲かるのは販売業者だけで、市民にはなんの還元もありません。
 
皆様方が取り組むべきは、海外に売る仕組みを考えることではなく、オンリーワンのヒスイの文化的存在価値、すなわち「ヒトとヒスイの物語り」の情報発信ではないでしょうか?
 
七千年前の縄文前期から始まり、飛鳥時代までほぼ五千年間も続いた「ヒトとヒスイの物語り」は、ダイヤモンドにはない唯一無二の価値なのですヨ。
 
そして戦前に糸魚川ヒスイが再発見されて以来、大昔の人々がヒスイに抱いた想いとは異質の、投機の対象や大量販売される、史上最高のヒスイバブルの時代になっています。
 
文化的価値は、活用するほど市民の財産が増え、故郷の誇りになっていきます。これが市民への還元でなくなんでしょう?
 
こんな自説を披露すると、不興を買うことも多いようだが、よくぞ言ってくれた!と喝采を贈ってくれる経営者もいる。
だから私は一貫して、脱ジュエリー、脱パワーストーンのヒスイ作品の路線を模索しているのだ。小型勾玉の金属部品を、あえてジュエリーとしての価値が下がるステンレスで自作して土俗的な雰囲気にしているのは、そのアンチテーゼでもある。
 
5円玉に2~4個が乗るサイズの勾玉でも、紐孔の中まで研磨した鏡面仕上げしてあるのは、量産品を大量販売する時流へのアンチテーゼ。
こんな小さい勾玉、どうやって作った?と同業者から聞かれても、ヒスイを大事に扱うだけですとしか答えようもないのだ。
そして大麻を使ったチョーカー(首にぴったりのネックレス)を作った。紐孔の内部にもご注目!穿孔しっぱなしのザラザラではなく、ツルツルに研磨してありますが、これにはちゃんと深い意味があります・・・その意味は、来客にだけ教えております。
 
大麻は縄文以来ずっと我々の身近にあった繊維。
 
勾玉は現代的な形だし、ステンレス部品を使ってはいるけども、縄文のヒスイ職人や、ヒスイを身に付けることを許された偉い人が「やるじゃないの!」と褒めてくれるモノを作りたい、そんな想いがカタチになった。
今回は注文主の要望で太めの麻紐にするため、金属環の工程を見直したら、幅10㎜のリボンに入れ替えられるようになった。
 
お客さんの無理難題は、殻を破って新しいモノを産み出す絶好の機会。
 
この作品、JJC(縄文・ジェダイト・カルチャーの略)作戦として、東京の一等地でお披露目したい。
 
超モダンな大阪万博会場に中央に聳えた、アンチモダンの象徴「太陽の塔」のように、都会のお洒落な店舗に土俗的で小さな、脱ジュエリーの縄文風勾玉が鎮座して、なんだか懐かしい感じのするかわいいモノとして、無自覚であっても人間性復興、原点回帰へと指向する機会になってくれたら嬉しい。
 
ヒスイ職人として初めてのプレゼン営業も厭わない。
 
目の肥えた方々に観て頂ければ耳の痛い意見も出るだろうが、そこはセッションしてお互いが納得できるモノにしていけばいい。
 
現代人の心に響く「脱ジュエリーのヒスイ装飾品・縄文なるもの」を世に出したいのだ。いざ東京へ!
 
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿