思うところあって、線刻から浮彫へ、鏡面仕上げから艶消し仕上げを試みたら、予想外に縄文テイストがアップした。
第1作は、以前に線刻したことのある縄文後期の秋田県「伊勢堂岱遺跡」出土の「笑う岩偶」モチーフの石笛。
ツルピカに研磨したものより絹のように滑らかな質感となり、しっとり感とやわらかさまで感じるのが意外。
無機物なのにあたかみさえ感じて、これまでヒスイ製品では観たことも触ったこともない質感となったので、ものすごく嬉しい。
艶消し仕上げのヒスイ加工品の多くは、たんに造形と研磨が甘い粗製品だったりして切削傷や研磨傷が残っていたりするのですが・・・
加工の際にできた傷を残さない艶消し仕上げは、2年前に請け負った「大首飾り複製品」製作で苦労して身に付けた技法。
五千年くらい土に埋めておいたら、出土品みたいなエイジング具合になるかも~!( ´艸`)
これまで一点の瑕疵もないツルピカな鏡面仕上げを目指し続けていたからこそ、艶消し仕上げが活きてくる。
また浮彫することで、線刻では表現しきれなかった縄文土器の文様の立体性を表現できるのではないか?期待に胸が膨らむ。
生まれ変わりますよぅ、ぬなかわヒスイ工房!