縄文人(見習い)の糸魚川発!

ヒスイの故郷、糸魚川のヒスイ職人が、縄文・整体・自然農法をライフワークに情報発信!

霊感商法モドキ撃退のオススメ本・・・発掘から推理する

2020年05月13日 07時55分54秒 | ぬなかわヒスイ工房

勾玉の意味は?と聞かれることがよくあり、そんな時は牙玉説・新月説・釣り針説・胎児説・玦状耳飾りリメイク説など考古学的な諸説を説明した上で、真相は作った人と身に付けていた人に聴くより解らないし、色んな意味が重なっていると思うが、私は胎児のつもりで作っていると答えている。

コトの発端と結果はかならずしも一致せず、例えば私が深い考えもなく面白いからというだけで作ったモノを、求めた人から「これはAですね!」と言うと、次からAを目指して作ることがよくあるからだ。
 
それに上記の諸説を一つだけピックアップした場合には、考古学的に説明が付かない謎が出てくるのですヨ・・・詳しく書いてしまうとすぐに「独自の解釈」としてパクる同業者が多いから書かないけど・・・仁義なき戦い(笑)
 
勾玉の発生を縄文前期とし、終焉を古墳時代とするなら、時代差、地域差、作り手、所有者によって「ヒトとヒスイの物語」は多種多様であったのではないだろうか。
 
そもそもなんでヒスイは4,000年以上も日本列島の人々に愛されてきたのか?
そんな考察に欠かせないのが、民俗例を駆使して勾玉釣り針説を唱える金関丈夫先生の著作。
 
古代史好きやヒスイ好きのみならず、霊感商法もどきの宣伝文句を論破したい方なら必読のロングセラー!
 
そしてヒスイを不老長寿の神秘のパワーストーンと宣伝するアヤシイ業者に「なんで出土品はお墓から出てくるの?ヒスイを身に付けて死ななかった人っているの?」と言って、タジタジさせてやりなさいよ( ´艸`)
 

ホタルイカの干物はうまい!

2020年05月11日 07時07分43秒 | 糸魚川自慢
ホタルイカ拾いた~い!とお隣の上越市からご婦人が訪ねてきたが、潮や海水温、風などの条件が揃わないとムリ~!( ´艸`)
男性客に比べて、女性客が元気なのは何故でせうか・・・わたしもタジタジ( ´艸`)
 
ホタルイカが拾えなくても近所の寿司屋の「傳兵」で海鮮ランチを食ってもらい、隣の伝兵衛水産で干物のホタルイカを購入できたのでとりあえず満足してもらえた。ホタルイカがあがるヒスイ海岸から歩いていける所なので、お土産にどうぞ。
ホタルイカの干物を初めて食ったが、炙らなくても柔らかくてうまいことを知りましたデス。
人間界はテンヤワンヤでも夏に向かって確実に時は進むノダ・・・葡萄の子供が生まれていた。
久しく咲かなかったリンゴの樹にも淡いピンクの花が咲いた。
 
もうひと踏ん張り、みんな頑張っておりますゼネ!

 


タラ汁に光を!・・・「新潟の食事」を読んでおもうこと

2020年05月09日 08時49分36秒 | 民俗学ごっこ
家ごもりの日々、お袋が昔を懐かしんで、子供の頃に食っていた里芋のお焼きを作ってくれた。
昔は屑米を有効利用するために米粉に挽いて茹で潰した里芋を混ぜて焼いていたらしいが、現代の市販米粉だと昔より美味いのだそうだ。それでも私には素朴な味過ぎたので、チーズをのせて海苔で巻いて食ったら美味い!
 
さて、新潟県人にお勧めの本がある。農文協出版の「日本の食生活全集シリーズ膳50巻」の15巻目の新潟編だ。
 
もちろん各都道府県の食文化を網羅した全集だから、自分の出身地の巻を読むと面白いですよう。
西頚城地方(糸魚川)の紹介ページは、筒石地区のある漁師一家の歳時記と季節の食事の一覧が紹介されており、お袋の世代は米飯はハレの日のご馳走で、日常は麦飯が主食、または少ない米で腹を満たす工夫の雑炊や野菜を混ぜた「かて飯」が主食だったようだ。
 
麦飯は米6:麦4の割合の配分で、これは刑務所の「臭い飯」と同じで、ムショとは刑務所のムショと六四の割合の麦飯をひっかけた隠語。
 
米どころの新潟にあって平地の少ない糸魚川の海岸部では、米の飯はハレの日にしか食えないご馳走だった時代があるのですネ。
 
ぬなかわヒスイ工房の来客を近所にある漁師一家が経営する寿司屋の「伝兵衛」さんに連れていくと、みなさん当たり前に豪華な海鮮料理を注文するが、私はお客さんの奢りであっても安い「タラ汁定食」を注文する。
一人前でも丼3杯分はある小鍋で出てくるので、お客さんはそのボリュームに驚き、お裾分けするとタラ汁の濃厚な旨味にもっと驚く。
 
タラから旨味が出るので出汁は不要で、ぶつ切りのタラが煮えたら火を止めて味噌を溶かし、ネギを散らすのが漁師流で、みなさんがいま食べているエビやカニ、ブリの盛り合わせは地元ではハレの日の食い物であり、タラ汁が日常食だと教えると、「こんな美味しいものを日常的に食べているなんて、糸魚川の人は幸せですね!」と褒め称えて糸魚川ファンになってくれる。
 
これほど美味い浜っ子のソウルフードが、ランチで食える店が他にないのは何故だろう?
 
先日もNHKラジオでトラックの運ちゃんが、国道8号線を走って富山に入るとタラ汁を食わせるドライブインが沢山あり、これが安くて美味いのよ!と言っていたが、すぐ隣の糸魚川だって同じ物を食っているのを忘れてもらっちゃ困る。
 
青年会議所が「ブラック焼きそば」というB級グルメを開発して宣伝しているが、それはそれとして、地元に県外者が驚く安くて美味い郷土食があることを忘れてはいないか?
 
糸魚川の飲食店、観光関係者は、こんな本を読んで地元の文化をもっと勉強して欲しいですネ。
 
ガンバレ糸魚川!忘れるなタラ汁!

「奴奈川姫とヒスイの古代史」・・・マジメなヌナカワ姫の研究本

2020年05月07日 08時22分30秒 | ぬなかわ姫

スピリチュアル系のトンデモ本のような表紙だけど、柳田邦男門下らしき民俗学者?によるヌナカワ姫の研究本。

この本の特筆すべき点は、民俗学者らしく地域ごとの口碑と神社・遺跡名を列記していること。
 
例えば信州でヌナカワ姫の痕跡を調べたかったら、当該地域の遺跡と神社を訪ね歩るくガイドブックに使える訳デス!
 
概ねの糸魚川市内の口碑は、出雲侵攻以前の黒姫山に関する伝説と侵攻とその結果、破れてヌナカワ姫が逃避行の末にお隠れになった伝説。
 
糸魚川以外の県内では、出雲から逃れてきたヌナカワ姫伝説と機織りの神様であるといった類いの伝説、信州ではヌナカワ姫が姫川沿いに小谷まで逃れ、川に身投げしたので姫川と呼ばれるようになったといった類いの伝説。
 
後半から総括として、最新の考古学では首を傾げたくなるような民俗学的な展開になっていく点が少し残念!
 
真面目な研究本なのに表紙絵を見て、諸星大二郎の伝奇漫画ですかぁ?といったヤツもいるくらいで、この点も損をしているような( ´艸`)
 
それでも郷土史家やスピリチュアル系タイターにありがちな、都合のいい情報だけピックアップして〇✖の可能性がある!と、自説を展開していく結論ありきのトンデモ本の類いでは断じてありません!
 
このところヌナカワ姫姫関連の書籍に増えてきておるますネ・・・。
 
残念ながら古本市場にも出回っていない絶版本で、仕方ないので必要な部分だけJPEGコピーして保存しております、ハイ。
 
 

最初にヌナカワ姫を祀った祠?・・・黒姫山

2020年05月06日 07時55分48秒 | ぬなかわ姫

県外の友人から黒姫山を案内して欲しいと要望が増えてきたので、事前調査とヌナカワ姫伝説調査のために現地に行った。

友人達は悲劇のヌナカワ姫伝説を知る作家、カリスマブロガーさんといった発信力のある人たちなので、古代のラブロマンス一辺倒の昨今のヌナカワ姫伝説に一石を投じて欲しいもんだ。

たまたま登山口の整備をしていた地元の人がいたので声をかけたら、登山道整備のために年間で28回も黒姫に登っている凄い人で、得難い情報を沢山教えてもらった。

標高1220mの黒姫山の登山口は85mの標高にあるので、1135mを登ることを考えれば物凄い体力!しかも73歳!

登山時間は平均して4時間、山頂の雪が溶けて夏山装備で登れるのは6月初旬~11月後半という基本に加え、「最初にヌナカワ姫を祀った神社は橋立村にあり、賑やかになってきたので山頂に祠を移した」「黒姫山に祀るのは、ヌナカワ彦、黒姫、ヌナカワ姫の三座」という口碑そのままを伝承する方だった。

最初に祀られたと伝わる場所に祠が現在もあり、登山口から離れているので教えてもらわないと絶対解らない場所だったのでありがたい。

鳥居の額束には「黒媛」とあった。

残念なことに、この祠と山頂に祀ったご神体の木製のヌナカワ姫像は、3年前に盗まれたそうだ。

黒姫山のある青海地区の神社をしらみつぶしに調べているが、現在は両部神道の影響を受けているものの、当初はほとんどがヌナカワ姫のみを祀り、黒姫山を遥拝できる位置にある。

原初のヌナカワ姫伝説には出雲との関係を伺わせる口碑は皆無で、恐らく弥生時代前期くらいまでは出雲の侵攻を受けず、中期以降に侵攻が始まり、後期に隷属関係となったのではないだろうか。

コロナ自粛が解除したら、まずは登ってみることですな。


ヌナカワ姫コスプレ始めました・・・コロナ自粛の後を想像して遊ぶ

2020年05月04日 07時36分48秒 | ぬなかわヒスイ工房
不要不急の外出をお願いされなくても、来客がないだけで普段と変わらない生活をしているワタシは、社交的なヒキコモリ男であることが判明した。
お隣のお嬢ちゃんが「じょうもんさ~ん」と遊びに来たので、ご両親も呼んでヌナカワ姫コスプレの記念撮影だけして、コロナ自粛が終わったら友達連れておいでと早々に家に帰す。
 
お嬢ちゃんも退屈気味のようなので、ホタルイカが浜に上がっているから拾えるよと教えたが、小さい子供を持つ親御さんも大変だ。
小1女子だと貫頭衣が床についてしまい、かわいいですネ。
100均で買ったサングラス、眼鏡で変装して遊んでください!
 
来客のにぎわいが戻った時、サービスの一環としてコスプレグッズを集めているのですヨ。
貫頭衣は、頂き物のジュート製のコーヒー袋を加工。本当は大麻生地があればいいのだけど、高いから不可。
 
そのうち誰かがプレゼントしてくれるでしょう!大麻生地!
 
来客から「竜宮城に遊びに行ったみたいに時を忘れ、楽しかった!」とメールを頂いたことがあり、実にこれは正しい感想だ。
 
ヒスイ加工に集中している時は、海に潜っている時の感じに近く、ワタシ自身が異界探訪をしている感覚なのですよ。
 
コスプレ撮影に興じるお客さんの笑い声を想像して、孤独の時間を愉しむのであった。

 


縄文友達からの贈り物・・・鹿角アクセサリー

2020年05月01日 08時12分48秒 | ぬなかわヒスイ工房
青森で創造的な暮らしをしている左京ご夫妻から鹿角アクセサリーが贈られてきて、そのクオリティが半端なく、流石の一言!
左京さんの作る縄文土器も凄いのだけど、折に触れて贈り物を贈り合う縄文仲間、というより敬愛する先達。
 
縄文なるものを熱く語る人と会う機会は多いけど、観念的過ぎたり独断的過ぎたりするので座談していて退屈なのですよねぇ・・・。
 
そんな時はちょっと失礼と中座して、煙草をプカプカやりだすのです(笑)
縄文のヒスイ交易の実態を「贈与とその返礼による疑似親戚関係の構築」としたある考古学者の言葉があるが、左京さんと私の関係はまさしくソレだ。
だから東北沿岸で地震があったりすると、潜水夫をしているご主人の安否が気になってドキドキしてしまう。
血は繋がっていなくても心で繋がっている親戚ですネ。