ニュージーランド移住記録:日記「さいらん日和」

2004年に香港からニュージーランドに移住した西蘭(さいらん)一家。子育て終了、仕事もリタイア。好きに生きる記録です。

100万ドルをどう使うか

2024-09-24 | 家族&夫婦
「100万ドルをどう使うかで
悩んでるんだ。娘にマンショ
ンを買うか、ここに親を呼び
寄せ老人ホームに入れるか」


久々に会った一回りほど年下
の中国系キウイ(=NZ人)夫婦


4人で飲茶を囲んでのっけか
らカネの話ときたもんだ(笑)



「もちろん親御さん優先じゃ
ない?年齢から考えたら」



2人ともこれには納得で、す
ぐに中国の85歳と80歳の親
をどうするか、という話に。


夫婦でNZに呼び寄せるつも
りで、ご主人は老人ホームに
入れる、奥さんは自宅に引き
取るという点で主張が分かれ
私たちの意見を仰ぎたいと。


NZの大手老人ホームの入居
費用がほぼ100万ドルなので
冒頭の話になったという塩梅


100万ドル=9,000万円超な
ので、そんな現金がポンと出
てくるということは「それま
での投資効率って大丈夫
とそっちが心配なぐらいです
が、高金利下でしっかり利息
を稼いでいたと期待したい


ご両親は数年NZに住んでい
たことがあり、その時に永住
権を取得していたので定住す
るのは法的に問題ないそう。


しかし、それは最良の選択か


私たちの意見は彼らが想定し
ていなかった、「中国で老人
ホームに入ってもらうこと」


「それだけの資金があれば街
で一番高級なホームに入れる
でしょう。生活環境を変えず
言葉も通じて、食べ慣れた物
を食べ、住み慣れた場所で生
涯を終えることが一番では」


「でも何かあったらここから
では遠いし、何もできない」


「近くても施設に入っていた
らお見舞いに行く以外できる
ことは限られるし、もっと深
刻な死ぬか生きるかの事態に
なった時こそ、本人たちには
言葉が通じて意思疎通ができ
る医療体制が安心なのでは」


私の父は私たち姉妹でホーム
入りを勧めてから、かれこれ
1年経った頃、自分で見つけ
たホーム
に入ることを決め、
入居時の健康診断でステージ
4の肺がんが見つかり、余命
半年と宣告されました。非常
に元気で痛みもなかったので
本人が一番驚いていました。


すべてが自分の意思と決定だ
ったので、初日から宣告どお
り半年後に亡くなるまで、父
の口から出るのは、すべてホ
ームへの感謝の言葉でした。


「いい所だ」
「みんな良くしてる」



父がそう繰り返していたこと
は2人には目から鱗でした。


コロナ渦だったこともあり、
日本にいる妹さえ死に目には
立ち会えず父は逝きました。


友人のご両親も認知機能には
問題がないそうで、人生の晩
年に自分の生涯をどこで、ど
う終えるのか、自分たちの意
思で決め、それを資金的に援
助できたらそれが最良では?


来月には里帰りして、両親と
じっくり話し合って来るそう
で、どんどんホームの下見を
してくることを勧めました。


百聞は一見にしかずで、父も
体験入居のまま本入居になり
一度も帰宅することも、特に
家を懐かしむこともないまま
ホームで生涯を終えました。


本人の意思を尊重して実現に
力を尽くすのが一番の親孝行

がんばって


次回、顛末を教えてね(笑)

龍蝦宮の飲茶は美味しい



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