温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

タイ クラビ クロントム温泉(及びクリスタルプール)

2010年05月27日 | タイ
タイ南部のビーチリゾート地クラビ。
プーケットやサムイに比べると知名度は劣りますが、大規模な開発が行われていない分、美しい自然がたくさん残っており、また控え目な知名度ゆえに他のリゾート地のような騒がしさとは無縁なので、ゆっくりとした時間の流れに身を任せてのんびりと青い海とビーチを満喫したい人にはもってこいです。

さて、このクラビの町から車で1時間ほど東へ進んだところには温泉が湧いています。車やバイクをレンタルして行くこともできますが、私はこの温泉を主目的地とした現地ツアーに参加してみました。ツアー料金には温泉の入場料やランチなどが含まれているので、現地でお金のことを気にする必要がなく、何しろ疲れたら車内で寝ることができるので、いろんな意味で気が楽です。観光客が多く宿泊するアオナン地区などには小さな旅行会社がたくさんあって、どこも大体同じような内容を似たような料金で扱っており、前日までに申し込めば宿泊先まで迎えに来てくれます。クラビで温泉(クロントム温泉)に行くツアーは、1237段の階段で有名なタイガーケーブ寺院や泳げる美しい池であるクリスタルプールも同じ行程に組み込まれているのが一般的です。

朝8時半にホテルへやってきたハイエースに乗り込みます。他にも何箇所かのホテルをまわって参加客をピックアップし、車内全ての席を埋めて(12人)出発。温泉へ向かう前にまずタイガーケーブ寺院へ寄って、1237段の急峻な階段登りにチャレンジ。完全にお坊さんの修行と同じであり、あまりのハードさに途中何度も挫折しかけながらも、見事に登りきりました。しかし全身汗だくで、足もガクガク、膝が笑うどころか大爆笑状態。いきなりヘトヘトになったところで、次に向かうは本日のメインイベントであるクロントム温泉。

 
タイガーケイブ寺院の1237段の階段。心臓破りの急な階段が続く。手摺には段数が書かれているが、次第に足が上がらなくなるのでなかなか1237に近付かない。

 
上がりきったところにはウォータークーラーがありました。寺院らしく仏像も据えられています。こんな山のてっぺんにどうやってこの仏像を運んだのかしら。さしがに眺望は絶景だが、眺望よりも階段を上ったという達成感のほうが強い。



温泉は入口ゲートから200mほど歩道を進んだところで入浴することができます。ジャングルの中で無色透明のお湯がふんだんに湧いており、温泉が川のようになって流れています。流れの途中で石灰がダムのように板状に固まったところがいくつもあって、それが浴槽のようになっています。水着に着替え(ホテルから水着を着ていけば楽です)、自分の好きなところへいざ入浴。湯温は日本人にぴったりの40~42℃。同じツアーに参加していた欧米人達にとっては熱いのか、彼らはちょっと浸かったらすぐに出て行ってしまいましたが、私にとっては至極極楽。実に良い湯加減。思わず感嘆の声が漏れ、先ほどの階段で疲労した体にみるみる力が蘇ってきます。石灰の析出が示すようにお湯にはカルシウムが多く含まれており、石膏味に弱い甘味が感じられ、キシキシとした浴感。お湯からは硫黄の匂いが漂ってきます。ものすごい量が湧いて流れてくるので、お湯の鮮度はバツグン。東南アジアでこんな素晴らしい温泉に入れるとは思いませんでした。お湯の流れはそのまま小さな滝となって池へ落下。現地の子供たちは池へ飛び込んでおおはしゃぎ。みなさんそれぞれ楽しそうでした。

 
ジャングルの中に湧く温泉。とにかく湯量が豊富で、お湯が川となってどんどん流れてくる。現地の方はTシャツを着て、我々は水着で入浴。石灰棚が小さなプールをいくつも作っているので、それを浴槽にして入ります。実にちょうど良い湯加減。

 
一応簡単に温泉の成分含有量が表示されているが、温泉ファンが欲しい情報はないようだ。また健康のためには20分の入浴がよいと書かれている。

 
川のように流れるお湯は滝となって池に落下。池では子供たちがはしゃいでいる。


お湯から上がってからランチをとり、再び車に乗り込んで今度はクリスタルプールへ移動。駐車場から約800mジャングルの中を歩くと、目の前が急に開けてエメラルド色の池が視界に入ってきます。これがクリスタルプールで、温泉として湧いた水が流れ出て池として集まったもの。このため元々お湯なので池といってもそんなに冷たくなく、しかも水深が1~2m程度しかないので、泳いだり水遊びするにはもってこいなのです。いつもは綺麗に澄みきっているそうですが、訪問時は現地の方々がたくさん集まっていたため、残念ながら水は若干濁り気味でした。このクリスタルプールから更にトレイルを歩いて30分ほど奥へ進むと、ブループールと呼ばれる紺碧の水をたたえた美しく小さな池を見ることができます(こちらは水泳禁止)。日本で言えば、福島県裏磐梯の五色沼や青森県深浦町(旧岩崎村)十二湖にある青池と同じようなものです。


現地の人たちで賑わうクリスタルプール

 
更に奥へ30~40分歩くと、神秘的な美しさのブループールを見学できる(日本にも似たような所があるので、そんなに珍しいわけじゃありませんが…)



クラビではどうしても美しい海に関心が寄りがちですが、目を山のほうに向ければこのような素晴らしい温泉を体験することもできます。当地へお越しの際には是非寄ってみてください。
なお今回このツアーを申し込むにあたってお世話になったのは、クラビのタウンにあるさくらツアーさん。とてもアットホームな旅行会社で、井上ゆかこさんが関西弁で現地に関するあわゆる相談にのってくれました。当地では日本語が通じるところが他にほとんど無いので、とても心強い存在です。
コメント
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