五所川原市の「うめたふれあいセンター」は、市内に余多ある温泉公衆浴場のひとつ。老人デイサービス施設に隣接しており、そのデイサービス施設と保育園に挟まれた路地先の、ちょっとわかりにくい奥まった場所にあるため、利用者は地元の方がほとんどかと思われます。
天井が低いからか、あるいは質素な内装の影響か、どことなく仮設っぽい雰囲気が漂う館内。玄関入って右手に受付があり、そこで直接料金を支払います。
受付と反対側(入口から見て左側)には休憩室やお座敷があり、休憩室のテーブルには古民家の模型が置かれていました。また休憩室前にはユニットタイプの流し台が3台ほど並んでいました。
お風呂は内湯のみで、当然ながら男女別に分かれていますが、2つの浴室は大きさに差異があり、男女の平等を図るためか、「浴室は1週間ごとに男女が変わります」とのこと。私が訪れた日は小さな方の浴室に男湯の暖簾が掛かっていました。
細長い脱衣室を経て浴室へ。小規模旅館並みのコンパクトな浴室は、床などがタイル張りで、壁や天井には化成品の防滴壁材が用いられています。ただでさえ狭いのに天井が低いため、余計に閉塞感を覚えるのですが、その分、脱衣室側にも外側にも、とにかく室内を囲むように窓が設けられており、これによって閉塞感をできるだけ払拭しようとしています。
洗い場には6基のシャワー付き混合水栓がL字形に並んでおり、カランから吐出されるお湯は真湯(ボイラーの沸かし湯)です。ただ、ボイラーのご機嫌が斜めだったのか、あるいは配管に問題があるのか、どのカランも、吐出圧力・湯温調整ともに上手くいかず、利用者のみなさんは思うようにシャンプー等ができずに困っていらっしゃいました(あくまで私の訪問時の話)。
上述のように閉塞感を払拭すべく窓が多用されているのですが、とりわけ浴槽上は大きな一枚窓になっており、ガラスの向こう側には水車や古民家の模型が飾られていました。休憩室にも同じようなものが置かれていましたが、この施設はこの手の模型が好きなんでしょうね。ところで、この模型のおうちは古民家なのに3階建であり、もし実在しているならば建築物としてかなり貴重な存在となるはずです。尤も、あくまで模型にすぎませんから、そんなツッコミは野暮なのかもしれません。
浴槽は4~5人サイズの長方形で、全面タイル貼りです。お湯は常に浴槽縁の上を流れて捨てられており、人が湯船に入るとザバーっと音を室内に響かせながら豪快に溢れ出ていました。なおこの施設では塩素消毒が実施されているらしく、脱衣室にはその旨が掲示されていましたが、多少その臭いを察知できる程度でほとんど気になりませんでした。抵抗力の弱い老人が主な利用客ですから、消毒を行うことは不可欠なのでしょう。
飾り石に囲まれた木組みの湯口よりお湯が注がれています。甘塩味とほのかなモール泉的風味を併せ持つこのお湯は、薄めた麦茶に黄色みをやや濃くさせたような色合いをしており、ほぼ透明で、槽内には茶色い沈殿がたくさん溜まっています。実際に浴槽のお湯を桶で汲むと、上画像のように細かい沈殿を容易に確認できました。また、湯船に浸かると食塩泉らしいツルスベ感が得られました。
次回再訪時は、予め確認の上、大きな方の浴室を利用するつもりです。
梅田温泉(再分析)
ナトリウム-塩化物温泉 45.3℃ pH7.55 湧出量測定不可(動力揚湯) 溶存物質4.060g/kg 成分総計4.070g/kg
Na+:1395mg(94.90mval%), Ca++:25.4mg(1.98mval%),
Cl-:2012mval%(89.84mval%), Br-:6.6mg, I-:0.4mg, HCO3-:372.0mg(9.66mval%),
H2SiO3:143.7mg, HBO2:27.6mg, CO2:10.0mg,
五所川原駅より弘南バスの青森行・板柳行・高野環状線のいずれかで「梅田北口」下車、徒歩7分(600m)
青森県五所川原市大字梅田字福浦405 地図
0173-28-3289
7:00~21:00
300円
ドライヤーあり、他備品類なし
私の好み:★★