温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

草津温泉 こぶしの湯

2015年03月22日 | 群馬県
 
草津温泉の「こぶしの湯」は、19湯ある当地の共同浴場の中で、草津の中心部である湯畑から最も離れており、浴場のまわりには比較的新しい民家や事業所等が軒を連ねていますが、ここまで来ると町としてのまとまりが疎になって木々の緑が目立つようになり、いかにも町外れといった雰囲気が強くなります。
国道292号沿いに建てられており、旧六合村方向から車で草津へやってくると、看板こそ出ていないものの、いかにも湯屋らしい湯気抜きが目立っていますから、温泉ファンでしたら誰しもその存在にすぐ気づくはず。午前11時に清掃時間が終わりますので、その頃合いを見計らって訪問しました。


 
町外れとはいえ、湯屋は草津の共同浴場の典型的なスタイルであり、番台の無い無人施設で、出入口は男女別。コンパクトな浴室には浴槽がひとつあるだけで、洗い場にシャワーなどはありません。強酸性のお湯から建物を守るため、床のコンクリには耐蝕塗装が施されています。清掃後だけあって、腰掛けや桶がきれいに整頓されていました。


 
窓から燦々と陽の光が降り注ぐ明るい浴室。窓の外側に坪庭が設けられているのが「こぶしの湯」の特徴であり、竹垣を模したエクステリアの下に石と砂利が敷かれているだけで、特に植栽や石灯籠といったものはありませんが、このスペースと大きな窓のおかげで、共同浴場にありがちな実用本位の殺風景さが軽減するどころか、中小規模の旅館にも負けない温泉風情が演出されており、視覚的にも実際の床面積以上に広く感じられます。


 
浴槽は3~4人サイズの四角形。槽内こそプールみたいな色の防食加工が施されていますが、縁には木材が用いられ、それがあるだけでも、見た目のイメージがかなり柔和になりますね。湯口からジャンジャン注がれるお湯は、湯畑源泉と並んでメジャーな源泉の万代鉱。温泉街の外縁部で多く配湯されている源泉ですね。
ほぼ無色透明で強烈な収斂酸味があり、肌にピリピリした刺激が走ります。入浴時は45℃前後というちょっと熱めの湯加減でしたが、清掃直後というグッドコンビネーションゆえ、誰にも触れていない綺麗な一番風呂を思う存分楽しませていただきました。


万代鉱
酸性-塩化物・硫酸塩温泉 96.5℃ pH1.6 掘削自噴 溶存物質3.30g/kg 成分総計3.32g/kg
H+:26.0mg(54.84mval%), Na+:101mg(9.35mval%), Mg++:57.0mg(9.97mval%), Ca++:102mg(10.84mval%), Al+++:47.1mg(11.15mval%),
F-:23.2mg, Cl-:742mg(44.41mval%), Br-:2.9mg, SO4--:836mg(36.92mval%), HSO4-:732mg(16.00mval%),
加温加水循環消毒なし

24時間開場(午前9:00から約2時間は清掃)
備品類なし

私の好み:★★

H2SiO3:501mg, HBO2:18.7mg, H2SO4:48.1mg,
コメント (12)
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