温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

くっちゃん温泉 ホテルようてい

2016年08月10日 | 北海道
 
倶知安の街中から西の丘へ上がった先にある「くっちゃん温泉 ホテルようてい」で日帰り入浴しました。昭和の残り香を漂わせる渋い外観ですが、建物自体は左右に長く、駐車場も広く確保されており、この駐車場からはホテル名の由来である羊蹄山のほか、ニセコの山々も望めました。


 
玄関入ってすぐのところに設置されている券売機で料金を支払い、フロントに券を差し出して浴場へと向かいます。私が訪れたのは木曜日のお昼時だったのですが、フロントの向かいにある食堂は多くのお客さんで賑わっていました。浴場はフロントから左へ曲がって下足場を過ぎたステップの先。いつもは手前側が女湯で、奥が男湯と設定されているのですが、月曜と木曜は男女が入れ替わるため、木曜であるこの日は、手前側の浴場に紺の暖簾がかかっていました。


 
建物は年季が入っていますが、スピーカーからジャズが流れる脱衣室は、近年改修されたのか明るく綺麗で、棚やカゴもたくさん用意されており、使い勝手に問題ありません。


 
奥に向かって長い作りの浴室には、後述する各浴槽のほかサウナが設けられており、手前側に配置されている洗い場には計10基のシャワー付きカランが取り付けられていました。


 
浴室内にある浴槽は、石張りの塀下に据えられた主浴槽のほか、3人サイズの泡風呂(ジャグジー)と2人サイズの水風呂の計3つです。適温の温泉が張られた主浴槽は「く」の字のような形状をしており、槽内は全体的に薄っすらと黄土色に染まっていて、縁の上をお湯がふんだんにオーバーフローしていました。館内表示によれば、主浴槽と泡風呂には1号泉と2号泉を混合した温泉が用いられているのですが、水風呂に関しては水道水のほか、1号泉の温泉も加えられているそうです。でも温泉が混じっているとは思えないほどキンキンに冷たかったので、冬場の水風呂が苦手な私は遠慮させてもらいました。主浴槽のみならず、他の浴槽からもお湯や水が絶え間なく溢れ出ており、温泉成分のこびりつきによって、床タイルの表面は橙色に薄っすらと染まっていました。


 
主浴槽では倶知安町のご当地キャラを戴く石の湯口から温泉が吐出されており、そのまわりには温泉成分によってベージュ色の凸凹が付着し、お湯が滴る吐出口直下は赤く染まっていました。倶知安町のご当地キャラは「じゃが太じゃが子」という雌雄ペアなんだそうでして、こちらのお風呂は普段は女湯として使われているため、レディーである「じゃが子」の像が採用されていました。


 
露天風呂はテラスのような構造になっていて、雪対策なのか浴槽はしっかりと屋根で覆われているのですが、テラス自体が広いので結構な開放感が味わえます。このお風呂で白眉なのは、塀の一部を敢えて低くすることで、湯船に浸かった状態で羊蹄山が眺められるよう配慮されている点です。名峰の名を冠する温泉ホテルですから、是非ともその山を眺めながら湯浴みしたいところですが、でもテラスの先は駐車場なので目隠しを立てることも欠かせない。そんなロケーションの中、ちょっとした工夫をすることにより、湯浴み客を満足させようとしている点は大いに評価したいものです。また、広いテラスにはデッキチェアも用意されているので、これに腰掛けながら羊蹄山を眺めつつお湯で火照った体をクールダウンさせることもできます。とにかく気持ちの良いお風呂です。


 

タイルの壁に開けられた細長い湯口から温泉が落とされており。内湯の湯口と同じく吐出口の直下は赤茶色に染まっていました。内湯の主浴槽と同じく1号泉と2号泉をブレンドしたお湯が使われています。露天の浴槽は(目測で)3.5m×2.5mの長方形で、足を伸ばしても10人以上は入れそうな容量があります。浴槽の周りにはオーバーフローの温泉成分によって、茶色や褐色の凸凹が広範囲にわたってこびりついていましたが、お湯と常時触れている槽内タイルはそのようなこびりつきが見られず、元々の綺麗な水色が維持されていました。おそらくこまめに且つ徹底的に清掃されているのでしょう。

お湯の見た目は薄っすら山吹色を帯びた微濁で、赤茶色の浮遊物がチラホラ舞っています。口に含むと、甘塩味+薄出汁味+金気味+弱炭酸味+清涼感という多種多様な味覚が得られ、金気の匂いとともに僅かにゴムのような匂いも感じられました。このような見た目のお湯ですと、えてしてギシギシ引っかかる浴感である場合が多いのですが、こちらのお湯は、多少の引っ掛かりを確認できるものの、明らかにツルスベの方が勝っており、しかも弱い泡付きも見られました。湯使いに関する館内表示は確認できませんでしたが、完全放流式で間違いないでしょう。界隈で湧くニセコ黄金温泉や(廃業してしまった)ニセコ薬師温泉などと同系統のお湯かと思われます。今回は日帰り入浴のみでしたが、次回は宿泊し、今回利用できなかった奥側の浴室にも入ってみたいものです。


1号井と2号井の混合
ナトリウム-炭酸水素泉・塩化物温泉 49.3℃ pH7.3 溶存物質2.529g/kg 成分総計2.624g/kg
Na+:649.5mg(82.70mval%), Mg++:54.9mg(13.23mval%), Ca++:22.0mg,
Cl-:470.9mg(39.02mval%), HS-:0.3mg, HCO3-:1219mg(58.71mval%),
H2SiO3:54.1mg, HBO2:16.7mg,
(平成26年3月28日)

JR函館本線・倶知安駅より徒歩18分(1.4km)
北海道虻田郡倶知安町字旭69  地図
0136-22-1164
ホームページ

日帰り入浴10:00〜22:00
800円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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