平賀市街から県道282号線を南東へ進んで東北道を潜った先の緩やかな傾斜地に広がっている唐竹集落。周囲には観光に向いている箇所が無いので、地元の人以外は訪れにくい地区でしょうが、ここにも何軒かの温泉公衆浴場が存在しており、集落の入り口に当たる位置にある公衆浴場が今回取り上げる唐竹温泉です。青森県の公衆浴場らしい、古くて渋い外観です。
玄関では看板犬のラッキー君がお出迎え。ハスキー犬のようですが、とってもおとなしくて柔和な性格。
受付カウンターで料金を直接支払ってから脱衣場へ。
脱衣所は最近改修工事が行われたらしく、広くて綺麗です。室内ではデカイ扇風機が唸りながら廻っていました。
浴室の中央にはまん丸いタイル貼りの浴槽が据えられ、それを囲むようにカランが18基配置されています。カランはシャワー付き混合栓ですが、ホテルでよく見かける、2つのコックの真ん中にある金具を引っ張るとスパウトがシャワーに変わるタイプのものでした。公衆浴場でこの手の水栓にお目にかかれるとは意外。おそらくカランから出てくるお湯は源泉使用。
男湯女湯の境の壁上には長方形の摺りガラスが立っているのですが、その一部には岩木山とリンゴが写った画像のカッティングシートが貼られていました。わかりやすい津軽の象徴ですね。
石組みで4段になっている湯口から源泉が浴槽へ投入されて、しっかり掛け流されています。無色透明で、よく湯中を見ると小さく白い浮遊物、そして黒っぽい赤茶の浮遊物が漂っていました。口に含むと、味のベースは微塩味なのですが、はじめタマゴ味が感じられ、次にすぐ金気味が、やがて芒硝味も舌に伝わり、結局石膏味で落ち着きます。匂いに関しては、微かに金気のような匂いと石膏臭が感じられました。弱いスベスベの浴感。人によっては熱く感じるかもしれませんが、私にはちょうど良い湯加減でした。まるで群馬県の北毛地方でよく見られるような無色透明の石膏泉でして、この手の泉質は津軽では珍しいかもしれません。青森県の温泉は本当に奥が深いですね。
なおこちらには上述の大浴場の他、貸切の家族風呂もあり、大浴場は中田1号源泉を使用していますが、家族風呂は1号の他に2号源泉も混ぜて使っているんだそうです。どんなお湯なんでしょうか。今度入ってみたいな。
向川原田温泉(中田1号)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
60.5℃ pH7.6 400L/min(動力揚湯) 溶存物質1.415g/kg 成分総計1.437g/kg
青森県平川市唐竹向川原田4-3 地図
0172-44-3748
7:00~22:00(月曜は17:00~22:00)
350円
ロッカー・ドライヤーあり
私の好み:★★