温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

唐竹温泉

2011年09月02日 | 青森県
 
平賀市街から県道282号線を南東へ進んで東北道を潜った先の緩やかな傾斜地に広がっている唐竹集落。周囲には観光に向いている箇所が無いので、地元の人以外は訪れにくい地区でしょうが、ここにも何軒かの温泉公衆浴場が存在しており、集落の入り口に当たる位置にある公衆浴場が今回取り上げる唐竹温泉です。青森県の公衆浴場らしい、古くて渋い外観です。


玄関では看板犬のラッキー君がお出迎え。ハスキー犬のようですが、とってもおとなしくて柔和な性格。

 
受付カウンターで料金を直接支払ってから脱衣場へ。
脱衣所は最近改修工事が行われたらしく、広くて綺麗です。室内ではデカイ扇風機が唸りながら廻っていました。

 
浴室の中央にはまん丸いタイル貼りの浴槽が据えられ、それを囲むようにカランが18基配置されています。カランはシャワー付き混合栓ですが、ホテルでよく見かける、2つのコックの真ん中にある金具を引っ張るとスパウトがシャワーに変わるタイプのものでした。公衆浴場でこの手の水栓にお目にかかれるとは意外。おそらくカランから出てくるお湯は源泉使用。

男湯女湯の境の壁上には長方形の摺りガラスが立っているのですが、その一部には岩木山とリンゴが写った画像のカッティングシートが貼られていました。わかりやすい津軽の象徴ですね。

石組みで4段になっている湯口から源泉が浴槽へ投入されて、しっかり掛け流されています。無色透明で、よく湯中を見ると小さく白い浮遊物、そして黒っぽい赤茶の浮遊物が漂っていました。口に含むと、味のベースは微塩味なのですが、はじめタマゴ味が感じられ、次にすぐ金気味が、やがて芒硝味も舌に伝わり、結局石膏味で落ち着きます。匂いに関しては、微かに金気のような匂いと石膏臭が感じられました。弱いスベスベの浴感。人によっては熱く感じるかもしれませんが、私にはちょうど良い湯加減でした。まるで群馬県の北毛地方でよく見られるような無色透明の石膏泉でして、この手の泉質は津軽では珍しいかもしれません。青森県の温泉は本当に奥が深いですね。

なおこちらには上述の大浴場の他、貸切の家族風呂もあり、大浴場は中田1号源泉を使用していますが、家族風呂は1号の他に2号源泉も混ぜて使っているんだそうです。どんなお湯なんでしょうか。今度入ってみたいな。


向川原田温泉(中田1号)
ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉
60.5℃ pH7.6 400L/min(動力揚湯) 溶存物質1.415g/kg 成分総計1.437g/kg

青森県平川市唐竹向川原田4-3  地図
0172-44-3748

7:00~22:00(月曜は17:00~22:00)
350円
ロッカー・ドライヤーあり

私の好み:★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

古遠部温泉 2011年

2011年09月01日 | 青森県
 
古遠部温泉は何度行っても良いですね。リピートしても飽きるどころか、行くたびに感動です。
無知な私は最近知ったのですが、この温泉って昭和50年に黒鉱鉱床を見つけるためボーリングした際に発見されたらしく、ということはまだ36歳なんですね。建物がボロいのでてっきり古い湯治宿なのかと思いきや、意外にも新しい温泉であることが意外です。
いつも玄関の脇でお客さんを出迎えている番犬は、訪問時にはお目にかかれませんでしたが、餌の皿にはご飯が残っていたので、たまたまお散歩にでも行ってしまったのでしょう。


古遠部温泉名物の石灰華のドーム。二股ラジウム温泉を彷彿とさせてくれます。これを見るだけでアドレナリンが分泌しまくり。訪れるたびにこの石灰華は成長しているように見えます(事実、そうなんでしょう)。


玄関奥の廊下を進み、階段を下りて浴室へ。


必要最低限の設備、というか棚しかない脱衣所。あれれ、棚には誰の荷物も無いぞ。先客ゼロってことか…。思わずニヤニヤしながら、浴室へ。

 
古遠部温泉には何度も訪れていますが、この温泉を独占できたのは初めて。嬉しいなぁ。
浴室には相変わらず膨大な量のお湯が掛け流され、その様はあたかも川の如し。オーバーフローなんて言葉じゃ物足りませんね。洪水です。浴槽の縁や洗い場には析出コッテリで千枚田状態。何度見てもウットリ見惚れます。
黄土色に濁るお湯は、炭酸味明瞭+出汁味+塩味+石膏味+渋みなどなど、いろんな味が混ざった複雑な味。金気臭+土気臭。浮遊物は特になし。キシキシ感とスベスベ感が混ざった浴感。お湯に入るとすぐに火照りますが、重曹の影響か、湯上がりのさっぱり感が強いのが印象的。お湯に入り、良い具合に茹った頃で浴槽から出て凸凹の床でトドになり、程々にクールダウンできたら、再びお湯へ。これの繰り返し…。一度入っちゃうと、このお湯から離れられません。本当に素晴らしいお湯だ。


窓から外を見ると、自噴するお湯の勢いで源泉井のガス抜きがポコポコ浮き上がっていました。坂梨峠の北側には古遠部温泉、南側には奥々八九郎温泉と、それぞれ炭酸ガスを伴った強烈な個性の土類泉が湧出しているわけですから、この辺りの地中には両者に似たような人知れぬ豊かな温泉資源がまだまだ眠っているかもしれませんね。

そういえば、この温泉からの帰路、国道へ出るダート区間で「わ」ナンバーの車と次々に擦れ違いました。もはやこの温泉の知名度は全国区なのかもしれません。


古遠部2号源泉
ナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉
43.6℃ pH6.28 478L/min(自噴) 溶存物質5.063g/kg 成分総計5.446g/kg
(平成20年1月18日付)

青森県平川市碇ヶ関西碇ヶ関山1-467
0172-46-2533

9:00~20:00
280円
備品類なし

私の好み:★★★

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩木温泉 清明館

2011年09月01日 | 青森県
 
岩木山神社の鳥居の前や参道脇には参詣客のための門前茶屋や宿が立ち並んでいますが、今回の「清明館」もそんな宿の一つ。鳥居前の参詣者用駐車場の右斜め前に位置しています。


この神社の門前宿は昭和から時が止まったかのような草臥れた佇まいの建物が多いのですが、こちらも同様に渋い外観です。


でも内装はしっかりリニューアルされており、綺麗でなかなか良い雰囲気。
日帰り入浴をお願いすべく、玄関を上がって声を掛けてみるも、誰も出てこない…。どうしたら良かんべ、と途方に暮れていたら、ようやく宿のおばちゃんが出てきてくれました。曰く「そこにお金置いて勝手に入ってくれたら良いのよ」とのこと。おばちゃんの指差す方向を見ると、お会計というカウンターにお皿が置かれていました。あぁ、なるほど、そういうシステムかと納得していると、「うちは(スタッフが)少ないから、こうさせてもらってるのよ」と事情を説明してくれ、そんなことも気付かずに呼び出してしまったことを詫びると、おばちゃんは「なもなも」(津軽弁で"No problem"の意味)と笑ってくれました。


鄙びた外観からは想像できないほど、更衣室はウッディで綺麗です。

 
浴室もこじんまりとしていながら綺麗で使い勝手良好。内湯ひとつのみ。洗い場にはシャワー付き混合栓が4基。浴槽は石板貼りですが、縁は木材、また浴室の側壁も木なので、全体的に木のぬくもりが伝わってくるお風呂です。


獅子の湯口からお湯が注がれ、投入量は少ないものの、しっかり掛け流されています。獅子の下顎にはコンモリと析出が付着しており、顎鬚と言うべきか腫瘍と言うべきか、とにかく顎が腫れ上がっていました。
お湯はほぼ無色透明ですが、浴槽の底やオーバーフロー流路は薄く赤茶色に染まっています。湯加減はやや熱め。源泉投入量を絞っているのは、源泉が熱いからなのかもしれません。お湯からは金気臭&味が感じられました。ややキシキシとする浴感です。熱いお湯なので、入るとキリッと身が冴えました。ご近所の百沢温泉に似ている泉質ですが、似て非なるお湯です。
神社参詣の垢離としてお風呂に入るのが正しいのかよくわかりませんが、参詣前ならお清めとして、参詣後なら精進落としとして、小さいながら使い勝手のよいお風呂だと思います。


岩木温泉(再)
ナトリウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉
(加水加温循環消毒なし)

青森県弘前市大字百沢字寺沢163-7  地図
0172-83-2165

日帰り入浴9:00~21:00
350円
ボディーソープ・シャンプーあり、他の備品無し

私の好み:★★
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする