温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

栗駒 駒の湯温泉 そばカフェが開業

2016年08月13日 | 宮城県
※8月15日、一部内容を修正しました。

北海道の温泉を連続して取り上げている途中ですが、今回だけ北海道から離れます。

拙ブログでは昨年からフィーチャーしている宮城県・栗駒山麓の「駒の湯温泉」。昨年秋に復活してからは日帰り入浴のみの営業を続けてきましたが、今年春から進められていた休憩小屋の工事がようやく終わり、今月(2016年8月)11日頃からその新設休憩小屋にてそばカフェの営業をスタートさせる運びとなりました。つまり、いままではお風呂に入るだけでしたが、今度からはお風呂上がりやお風呂へ入る前に、おそばを手繰ったりお茶を飲んだりして、ゆっくりすることができるようになったのです。
私は先月(7月)中旬に駒の湯さんへお邪魔しているのですが、その時に撮影した工事中の様子を取り上げながら、新設の休憩小屋について簡単に紹介してまいります。

※画像内にクレジット表記しているものは、駒の湯温泉のブログより引用したものです。



湯小屋の手前側(上画像の右側)に建つ焦茶色の建物が、この度新設された休憩小屋です。


 
休憩小屋内の食堂で、「そばカフェ駒の湯」として軽食営業を始めることになりました。
このカフェのマスコットはパンダです。



休憩小屋の新設に伴い、受付から湯小屋へ向かうまでの動線が変更されました。
上画像は今年7月に撮影したものです。いままでは駐車場の先にあった仮設受付で料金を支払い、その前に設置されているスロープを上がって湯小屋へ向かっていましたが・・・



休憩小屋の本格稼働にともない、料金を支払う受付も休憩小屋に内包することになったので、スロープは新設された休憩小屋側へ移りました。
このため今度は、まずスロープを上がって、休憩小屋にある受付で料金を支払い、それから湯小屋へ向かうことになります。


 
上述のように受付は休憩小屋へ移転しましたので、今後はこの受付で料金をお支払いください。駒の湯オリジナルタオルなども販売していますよ。
※当記事を投稿した当初は、トイレが2室新設されたと書きましたが、現地よりいただいたご連絡によりますと、実際には1室のみで、洗浄機能付き便座ではなく、普通の便座を使用しているとのことです。勇み足で記事にしてしまい、申し訳ございません。お詫びの上、訂正いたします。


 
私が訪れた7月は、食堂も厨房もまだ工事中でしたが・・・


 
駒の湯さんのブログによれば、今ではカウンターに暖簾も掛けられました。こちらでご主人手作りのおそばをいただけます。入浴前に、あるいは風呂上がりに、召し上がってください(もちろん有料)。
なお、ご主人と奥様の2人だけで、受付やお客様への対応、そしてそばの仕込から調理まで全てを行っているため、お食事を提供するまで時間を要したり、あるいは数に限りがあったりと、場合によってはご不便をおかけすることもあるかと思いますが、何卒ご了承ください。

※まだそばカフェを始めたばかりであり、何もかも手探りの状態で営業しています。現地へメールで確認した状況から推測しますと、もしお蕎麦を目当てでお越しの場合は、もう少し日にちを後にズラした方が良いようです。



こちらは7月に撮った休憩室の様子。こちらも当時はまだ工事中でしたが、いまではお座敷として整備されたようです。なおこの休憩室は有料での利用となります。いろんなご意見もあるかと存じますが、被災地ゆえの台所事情もございますので、何卒ご斟酌くださり、ご寄付のお気持ちでご理解ください。


 
ちなみにお風呂は変わっていません。
惜しげも無くドバドバと温泉が大量にかけ流されております。


 
余談ですが、足湯にも小さな変化がもたらされました。上画像wpご覧になるとわかりますが、足湯槽の上に小さなテーブルが設けられたのです。足湯中に腕をのせて頬杖をつくもよし、ドリンクを置くもよし。何かと重宝しそうなテーブルですね。

なおこの休憩小屋を含め、当温泉での宿泊はできません。またスペースにも限界がありますので、団体の受付もできません。
最新情報に関しては駒の湯温泉公式サイト(サイト中でリンクされているブログ)でご確認ください。

猛暑続きでヘトヘトになっているかと存じますが、そんな時こそ涼しい高地へ向かい、駒の湯のぬるめの硫黄泉でサッパリスッキリし、英気を養ってください。
岩手宮城内陸地震の被災から立ち上がって、昨年ようやく復活を遂げた駒の湯温泉。この度のそばカフェ営業開始が、再興への大きなステップアップとなるよう願っています。


営業期間:4月下旬~11月上中旬(冬期休業)(残雪や路面凍結等の状況によって前後します)
営業時間:10:00~17:00(16:00頃に受付を終了しますが、状況により前後します)
定休日:毎週水曜日(ただし祝日の場合は営業し翌日休業。なおGWやお盆は営業します)
入浴料金:大人400円(中学生以上)、小学生以下200円
(注1)備え付けの石鹸やシャンプー等はありません。
(注2)収容人員が限られた小さな湯小屋ですので、週末や連休など繁忙期には、入浴までお待ちいただくことがあります。

宮城県栗原市栗駒沼倉耕英東  地図
公式サイト

コメント (4)
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ニセコ湯本温泉 雪秩父 2015年12月再訪

2016年08月12日 | 北海道
ニセコ湯本温泉の有名施設「雪秩父」は、拙ブログにおいても2014年2月に記事にしておりますが(前回の記事はこちら)、その後一旦閉館を経て2015年に全面リニューアルされ、日帰り入浴施設として新たな道を歩み始めましたので、どのような姿に生まれ変わったのか自分の目で確かめるべく、営業再開から3ヶ月が経った同年(2015年)12月某日に訪問してみました。


 
私がリニューアルオープンした「雪秩父」を訪れたのは冬の日没後。旧施設はいかにも昭和の公共宿泊施設らしい渋くて地味な建物でしたから、その姿を想い抱きながら現地へ向かったのですが、駐車場入口に立つ電照看板を目にした時は、ここが本当に「雪秩父」なのかと我が目を疑いました。完全にゼロから建て直したのですね。駐車場へ向かうアプローチの側溝から湯気が上がっていました。


 
エントランス部分です。旧施設の面影は全くありませんね。以前は宿泊施設でしたが、現在は日帰り入浴専門施設として営業形態が変更されたため、建物は平屋となり、以前と比べてかなりコンパクトになりました。そのかわり外壁には木材が用いられて、周辺環境と馴染むような配慮がなされていました。また、玄関にはスロープが設けられ、バリアフリーが図られていました。



先に述べたように私が訪れたのは夕方の日没後でしたが、こちらではお昼時に限り、食堂でお蕎麦などの軽食がいただけるみたいですよ。そんな食堂や休憩用のお座敷を横目にしながら、物販品が陳列されている通路を進んで受付へと向かい、券売機で料金を支払います。なお貴重品類は受付前にあるロッカーへ預けましょう(脱衣室にロッカーはありません)。


 
受付前にある階段を下りて浴室へ。そういえば旧施設もフロントから階段を下って行きましたね。
脱衣室は旧施設と比べて半分以下の空間に縮小されてしまいましたが、まだ新しいだけあって隅々までピカピカに輝いており、明るく清潔感に満ちていて、使い勝手も問題ありませんでした。


 
お風呂は内湯と露天がありますが、まずは内湯から。
浴室は新しくて清々しく、以前と比べれば利便性ははるかに向上したのですが、極めて実用的且つ現代的で、温泉風情を感じさせてくれるような飾りは無く、御影石っぽい石板タイルと白い壁が無機質でお役所的。温泉というより公衆浴場といった佇まいのように思われました。男湯の場合は、向かって右手に浴槽が2つ並び、左側に洗い場が配置され、シャワー付き混合水栓が10基、そして立って使うシャワーが1つ、計11基のカランが1列に並んでいます。


 

浴場において硫黄泉と鉄鉱泉という2つの源泉が使われているのは以前と同様です。窓側に配置されている浴槽は大小2つに分かれており、手前側の大きな浴槽は、すぐそばの湯沼からお湯を引いている硫黄泉です。浴槽のサイズは(目測で)6m×3mで、湯加減は42〜3℃前後に調整されていました。湯船のお湯はグレーに強く濁り、透明度は10cmにも満たないほどで、はっきりとした硫化水素臭とともにツーンとくる刺激臭を放ち、酸味と口腔に残る苦みや痺れを有しています。泥湯を思わせるクリーミーなお湯であり、足裏やお尻など槽内に触れた肌には、硫化鉄の黒い筋が付着しました。
なお、館内に掲示されている温泉分析書は旧施設当時のものがそのまま流用されていました。


 

小さな浴槽は鉄鉱泉で、大きさは3m四方。ジャスミン茶のような淡い色を帯びたお湯は、ややぬるめの長湯仕様になっており、湯中では褐色を帯びた羽根状の湯の華が浮かんでいました。また湯口はクリーム色に染まっていましたが、お湯自体が持つイオウ感は弱く、まさに名前の通りの金気のお湯といった感じです。
内湯の硫黄泉・鉄鉱泉ともに完全放流式の湯使いですが、浴槽のお湯は全量が窓側の溝へ落ちて流れる構造になっているため、洗い場側へはオーバーフローしません。


 
つづいて露天風呂へ。カギ状に曲がる木造覆いのコリドーもリニューアルに伴って新しく作り直されたのですが、でもその造りや雰囲気は旧施設の面影を残しており、ここに至ってようやく「あ、俺はいま雪秩父にいるんだ」と実感することができました。



リニューアルされた露天風呂で大きく変更された点は、男湯と女湯で浴槽の数が異なることです。上画像は露天の構内図なのですが、女湯には硫黄泉と鉄鉱泉の両源泉を用いた4つの浴槽(そして泥湯と上がり湯)があるのに対し、男湯は硫黄泉のみで浴槽も2つだけと大幅縮小されてしまいました。男としては残念ですが、でも日本には男湯の方が大きくて立派な古いタイプの温泉施設がまだまだたくさん残っていますし、何よりも女性のハートを掴むことが利用者の増加には必須ですから、このような措置はむしろ自然な流れではないかと思われます。もしメニニズムの野郎共が騒ぎ立てたとしても、黙殺しちゃえば良いのです。



男湯の露天風呂は、楕円形の「ふれあいの湯」と四角形の「檜風呂」の2つ。「ふれあいの湯」は旧施設時代のものを流用しており、以前と同様に屋根付きの浴槽にはグレーに濁った硫黄泉が張られていました。ただ、この日の当浴槽は44〜5℃近くあり、熱い風呂に慣れているはずの私でもあまり長くは浸かっていられませんでした。湯沼のお湯を直接引き、投入量を調整することで湯加減をコントロールしているのでしょうけど、湯沼のお湯はその時々によって温度が変化しますから、私が訪れた時のように熱い場合もあれば、逆にぬるくなっちゃう時もあるのでしょうね。その不安定さこそ完全掛け流しである証と言えましょう。 

一方「檜風呂」は、旧施設時代には一段上がったところに設けられていましたが、現在では「ふれあいの湯」と同じ高さに移されていました。こちらにも硫黄泉が張られているのですが、42℃前後で入りやすく、しかも屋根など浴槽を覆う構造物がないので、今回私はこの「檜風呂」に入り続け、空を見上げて冬の星々をひたすら眺めていました。なお「ふれあいの湯」「檜風呂」ともに完全掛け流しです。



露天風呂に関しては暗くて全然写りが悪いため、蘭越町公式サイト内にある紹介ページから画像を拝借させていただきました。上画像が男湯の様子です。画像中央に移る楕円形の浴槽が「ふれあいの湯」。柱に隠れてあまり見えないのですが、奥に設けられている四角い木のお風呂が「檜風呂」です。



参考までに、同じページには女湯の露天風呂の画像も掲載されていたので、こちらも拝借致しました。明らかに女湯の方が充実していますね。こんなバラエティーに富んだ露天風呂に入れる女性が羨ましいなぁ。

新しく生まれかわった内湯はかなり実用的になり、使い勝手が格段に向上した反面で個性が失われたような気もします。その一方、露天風呂は開放的で旧施設の面影を残しており、特に女湯に関しては充実していますから、当地を旅行なさる女性は是非こちらを訪れて、泥湯で美肌効果を試してみてください。


硫黄泉
単純硫黄温泉(硫化水素型) 56.8℃ pH3.9 湧出量未記載(自然湧出) 溶存物質0.161g/kg 成分総計0.557g/kg 
H+:0.1mg, Na+:8.5mg(25.17mval%), Mg++:5.7mg(31.97mval%), Ca++:8.4mg(28.57mval%), Al+++:0.4mg, Fe++:0.6mg,
Cl-:4.3mg, S2O3--:1.0mg, SO4--:64.2mg(90.54mval%), HSO4-:0.3mg,
H2SiO3:65.4mg, CO2:380.7mg, H2S:14.6mg,
(平成20年11月10日)

鉄鉱泉
単純温泉 62.8℃ pH6.2 湧出量未記載(動力揚湯) 溶存物質0.746g/kg 成分総計0.841g/kg
Na+:58.3mg(36.87mval%), NH4+:0.7mg, Mg++:25.1mg(30.04mval%), Ca++:33.8mg(24.53mval%), Fe++:3.9mg,
Cl-:8.7mg, SO4--:53.5mg(16.95mval%), HCO3-:315.5mg(78.93mval%),
H2SiO3:227.6mg, CO2:95.0mg, H2S:0.2mg,
(平成19年9月10日)

北海道磯谷郡蘭越町字湯里680番地  地図
0136-58-2328
ホームページ

10:00~20:00 火曜定休(祝日の場合は翌日)
500円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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くっちゃん温泉 ホテルようてい

2016年08月10日 | 北海道
 
倶知安の街中から西の丘へ上がった先にある「くっちゃん温泉 ホテルようてい」で日帰り入浴しました。昭和の残り香を漂わせる渋い外観ですが、建物自体は左右に長く、駐車場も広く確保されており、この駐車場からはホテル名の由来である羊蹄山のほか、ニセコの山々も望めました。


 
玄関入ってすぐのところに設置されている券売機で料金を支払い、フロントに券を差し出して浴場へと向かいます。私が訪れたのは木曜日のお昼時だったのですが、フロントの向かいにある食堂は多くのお客さんで賑わっていました。浴場はフロントから左へ曲がって下足場を過ぎたステップの先。いつもは手前側が女湯で、奥が男湯と設定されているのですが、月曜と木曜は男女が入れ替わるため、木曜であるこの日は、手前側の浴場に紺の暖簾がかかっていました。


 
建物は年季が入っていますが、スピーカーからジャズが流れる脱衣室は、近年改修されたのか明るく綺麗で、棚やカゴもたくさん用意されており、使い勝手に問題ありません。


 
奥に向かって長い作りの浴室には、後述する各浴槽のほかサウナが設けられており、手前側に配置されている洗い場には計10基のシャワー付きカランが取り付けられていました。


 
浴室内にある浴槽は、石張りの塀下に据えられた主浴槽のほか、3人サイズの泡風呂(ジャグジー)と2人サイズの水風呂の計3つです。適温の温泉が張られた主浴槽は「く」の字のような形状をしており、槽内は全体的に薄っすらと黄土色に染まっていて、縁の上をお湯がふんだんにオーバーフローしていました。館内表示によれば、主浴槽と泡風呂には1号泉と2号泉を混合した温泉が用いられているのですが、水風呂に関しては水道水のほか、1号泉の温泉も加えられているそうです。でも温泉が混じっているとは思えないほどキンキンに冷たかったので、冬場の水風呂が苦手な私は遠慮させてもらいました。主浴槽のみならず、他の浴槽からもお湯や水が絶え間なく溢れ出ており、温泉成分のこびりつきによって、床タイルの表面は橙色に薄っすらと染まっていました。


 
主浴槽では倶知安町のご当地キャラを戴く石の湯口から温泉が吐出されており、そのまわりには温泉成分によってベージュ色の凸凹が付着し、お湯が滴る吐出口直下は赤く染まっていました。倶知安町のご当地キャラは「じゃが太じゃが子」という雌雄ペアなんだそうでして、こちらのお風呂は普段は女湯として使われているため、レディーである「じゃが子」の像が採用されていました。


 
露天風呂はテラスのような構造になっていて、雪対策なのか浴槽はしっかりと屋根で覆われているのですが、テラス自体が広いので結構な開放感が味わえます。このお風呂で白眉なのは、塀の一部を敢えて低くすることで、湯船に浸かった状態で羊蹄山が眺められるよう配慮されている点です。名峰の名を冠する温泉ホテルですから、是非ともその山を眺めながら湯浴みしたいところですが、でもテラスの先は駐車場なので目隠しを立てることも欠かせない。そんなロケーションの中、ちょっとした工夫をすることにより、湯浴み客を満足させようとしている点は大いに評価したいものです。また、広いテラスにはデッキチェアも用意されているので、これに腰掛けながら羊蹄山を眺めつつお湯で火照った体をクールダウンさせることもできます。とにかく気持ちの良いお風呂です。


 

タイルの壁に開けられた細長い湯口から温泉が落とされており。内湯の湯口と同じく吐出口の直下は赤茶色に染まっていました。内湯の主浴槽と同じく1号泉と2号泉をブレンドしたお湯が使われています。露天の浴槽は(目測で)3.5m×2.5mの長方形で、足を伸ばしても10人以上は入れそうな容量があります。浴槽の周りにはオーバーフローの温泉成分によって、茶色や褐色の凸凹が広範囲にわたってこびりついていましたが、お湯と常時触れている槽内タイルはそのようなこびりつきが見られず、元々の綺麗な水色が維持されていました。おそらくこまめに且つ徹底的に清掃されているのでしょう。

お湯の見た目は薄っすら山吹色を帯びた微濁で、赤茶色の浮遊物がチラホラ舞っています。口に含むと、甘塩味+薄出汁味+金気味+弱炭酸味+清涼感という多種多様な味覚が得られ、金気の匂いとともに僅かにゴムのような匂いも感じられました。このような見た目のお湯ですと、えてしてギシギシ引っかかる浴感である場合が多いのですが、こちらのお湯は、多少の引っ掛かりを確認できるものの、明らかにツルスベの方が勝っており、しかも弱い泡付きも見られました。湯使いに関する館内表示は確認できませんでしたが、完全放流式で間違いないでしょう。界隈で湧くニセコ黄金温泉や(廃業してしまった)ニセコ薬師温泉などと同系統のお湯かと思われます。今回は日帰り入浴のみでしたが、次回は宿泊し、今回利用できなかった奥側の浴室にも入ってみたいものです。


1号井と2号井の混合
ナトリウム-炭酸水素泉・塩化物温泉 49.3℃ pH7.3 溶存物質2.529g/kg 成分総計2.624g/kg
Na+:649.5mg(82.70mval%), Mg++:54.9mg(13.23mval%), Ca++:22.0mg,
Cl-:470.9mg(39.02mval%), HS-:0.3mg, HCO3-:1219mg(58.71mval%),
H2SiO3:54.1mg, HBO2:16.7mg,
(平成26年3月28日)

JR函館本線・倶知安駅より徒歩18分(1.4km)
北海道虻田郡倶知安町字旭69  地図
0136-22-1164
ホームページ

日帰り入浴10:00〜22:00
800円
ロッカー(100円リターン式)・シャンプー類・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
コメント (2)
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赤井川カルデラ温泉 赤井川村構造改善センター

2016年08月09日 | 北海道
残暑お見舞い申し上げます。
この蒸し暑い中、わざわざ熱い温泉なんて入りたくないと仰る方もいらっしゃるかと思いますが、今回記事からはしばらく半年前の冬に訪れた北海道の温泉を、雪景色とともに紹介させていただきますので、画像に写る雪景色をご覧になることで一服の涼を感じていただければ幸いです。
まずは小樽や余市の南方に位置する赤井川村から巡ることにしましょう。

 
赤井川村の中心部は、環状のカルデラに囲まれた円形の盆地になっています。そのカルデラを形成した火山は現在活動していませんが、かつての名残なのかボーリングによって地中から温泉が湧き出ているようです。村役場の裏手にある「赤井川村構造改善センター」には温泉浴場が併設されており、その名も「赤井川カルデラ温泉」と称します。温泉浴場を設けたところで村の構造がどのように改善されるかわかりませんが、カルデラ温泉というユニークな名前に心惹かれた私は、どんなお湯と出会えるのか、行ってみることにしました。


 
玄関入って右手に受付、左手に座敷、奥に食堂があり、入浴や食事などを通じて村民が集える場となっているようです。冬の農閑期にはその機能を存分に発揮することでしょう。また、玄関ホールでは農産物などの食料品が販売されており、生活面も支えているようでした。受付前に設置されている券売機で料金を支払い、受付の右斜め前に掛けられている暖簾をくぐって浴場へと向かいます。


 
この「赤井川カルデラ温泉」は2014年にリニューアルされており、従来の浴場に加えて新浴室が増設されました。まずは従来の浴場(以下、本館浴場)から見て行くことにします。
本館浴場は大きなガラス窓と高くそびえる岩の壁が印象的で、その壁の下に岩や石で縁取られた主浴槽が設けられています。窓の面積が大きく採られている割には、室内はさほど明るくないのですが、これは後述する露天風呂のスペースを確保するため、本館浴場をセットバックさせているためかと思われます。
浴室の脱衣室側には洗い場が配置され、計10基のシャワー付きカランが並んでいました。なお洗い場に備え付けられているアメニティーは石鹸だけですので、ボディソープやシャンプーなどが必要な方は持参することをおすすめします。


 
うずたかく積み上げられた岩の上から、50℃近い熱いお湯が滝のように浴槽へザバザバと落とされており、湯船からは惜しげもなくお湯が溢れ出ていました。浴槽を縁取る岩は浴槽自体をも大小に分割しており、小さな方は若干浅くなっているのですが、湯加減は大小で差はなく、私の体感で42〜3℃といったところでした。


 
本館浴場のガラス窓の外側には露天風呂がお湯を湛えていました。降雪地ゆえに頭上は屋根で覆われており、また周囲は目隠しのために塀で囲まれていますが、塀と入浴ゾーンの間には庭のようなバッファが広く確保されているため閉塞感はなく、塀の下に積もった雪を眺めながら雪見風呂を楽しませてもらいました。欲を言えば、建物を支える太い柱が邪魔で艶消しなのですが、こればかりは構造上致し方ありません。


 

本館浴場の内湯と同様にこちらも岩風呂であり、岩積みの上からお湯が落とされていますが、その大きさははるかにコンパクトで、寸法は目測でおおよそ2m×3m、5〜6人サイズといったところでしょうか。なお内湯はタイル貼りでしたが、こちらは底面に鉄平石が採用されており、より本格的な岩風呂としての風情を醸し出しています。湯加減は内湯より若干42℃前後ですが、外気の影響を受けるにもかかわらずこの温度が保たれているのは投入量の多さのおかげであり、見ているだけで豪快な気持ちになるほど、浴槽縁の上をお湯がどんどん溢れ出ていました。


 
最後に、本館浴場に隣接している新浴室にも入ってみました。横に長い窓に面して浴槽が据えられ、その手前側の左右に洗い場を配し、さらにはサウナや水風呂なども設けて、利用者の多様なニーズに応えています。壁に木材を用いることによって、岩風呂の本館浴場とは違った柔和でぬくもりのあるイメージを作り出そうとしていますが、新しいお風呂なのに天井が低いので、明らかに後から増設した感が強く、開放感としては本館浴場の方が勝っているかもしてません。


 
浴槽は4m×3mの四角形で、14〜15人は入れそうなキャパがあります。槽内こそタイル張りですが縁には木材が用いられ、壁とともに和の温泉らしい風情を漂わせていました。ただこの新浴室のお風呂は、なぜか一般的な浴槽よりも全体的に浅く作られているため、若干寝そべるような姿勢にならないと肩まで湯に浸かれません。また、御影石の湯口から注がれるお湯は本館浴場や露天風呂と同じお湯ですが、湯加減は41℃程度に抑えられていました。このため、常連さんは深くて入り応えのある以前からの本館浴場を好む傾向にあり、せっかく増設したこのお風呂にはあまり利用されていないようでした。屁理屈を言えば、この新浴室のように、胸上程度の嵩のお風呂でぬるめのお湯に浸かるのが健康のためには良いのでしょうけど、メインの利用者層である地元のお年寄りにとって、そのようなお風呂では入った気になれないのでしょうね。

さてお湯に関するインプレッションですが、見た目は無色透明で、湯の花などは見られずクリアに澄んでいます。温度調整のために加水されていますが、各浴槽とも放流式の湯使いであり、投入量が多いのでしっかりとオーバーフローしていました。お湯を口に含むと、薄い塩味と弱い芒硝感が確認でき、そしてその2つに隠れるようにして微かな石膏感も伝わってきました。湯中では食塩泉的なツルスベと硫酸塩泉的な引っかかりが混在する浴感が得られたのですが、加水の影響でお湯が持つそもそもの個性がいくらか弱まっているような気がします。でも湯上がりは温泉ならではの温浴効果が発揮され、体の芯からホコホコし続けました。一見すると真湯と大差ないように想えてしまうのですが、よくよく感じてみると流石温泉だと納得できる、通好みの温泉でした。


ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉 56.8℃ pH8.5 湧出量未記載(動力揚湯) 溶存物質1.450g/kg 成分総計1.450g/kg
Na+:380.0mg(74.26mval%), Ca++:112.3mg(25.16mval%),
Cl-:372.8mg(49.65mval%), HS-:0.3mg, SO4--:454.0mg(44.60mval%), HCO3-:53.1mg, CO3--:10.0mg,
H2SiO3:56.3mg,
(平成20年7月8日)
加水あり(源泉温度が高いため水道水を加えている)

北海道余市郡赤井川村字赤井川71番地2  地図
0135-34-6441
ホームページ

10:00〜21:00(受付20:30まで) 月曜定休(祝日の場合は翌日)
400円
ロッカー(100円リターン式)・石鹸・ドライヤーあり

私の好み:★★+0.5
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古懸温泉 古懸コミュニティ浴場

2016年08月07日 | 青森県

前回記事の秋田県から矢立峠の県境を越えて、青森県へとやってまいりました。今回取り上げますのは、平川市の旧碇ヶ関村古懸地区にある「古懸コミュニティ浴場 」です。文字通り古懸地区の中心部に位置しており、入浴を通じた地元住民の交流を目的としている施設ですが、私のような他県からの外来者も利用することができます。


 
下足場に設置された券売機で料金を支払い、内部の番台にいるおじちゃんに券を渡して浴室へと向かいます。番台がある建物中央部のホールには休憩用の応接セットが置かれている他、その奥には座敷もあり、風呂上がりにゆっくり寛げる空間が確保されていました。実際に私が訪れた時には、このお座敷でお婆ちゃん達が談笑に花を咲かせており、施設名の通りコミュニティの場として立派に機能しているようでした。


 
浴室は実用的なタイル張りで、中小規模の銭湯といったその佇まいから温泉風情は感じられません。室内の中央に浴槽が据えられ、その左右両側に洗い場が配置されています。洗い場にはシャワー付きカランが計13基取り付けられているのですが、その中の数基は故障しており、実際に使えるのは10基未満でした。


 
浴槽は中央に据えられたひとつのみで、目測で2m×4mの長方形。10人は同時に入れそうな容量があります。浴槽の手前半分では泡風呂が稼働しており、この手の設備があまり好みでない私にとってはちょっと騒々しかったのですが、このお風呂を愛するお年寄りのみなさんにとっては、きっと欠かせない必須設備なのでしょう。
窓側にある木組みの湯口よりお湯が注がれており、浴槽縁から洗い場へ静々と溢れ出ていました。放流式の湯使いかと思われるのですが、浴槽の大きさに対して投入量が少ないように思われます。番台の奥に掲示されていたホワイトボードには、2ヶ月前の記録として53リットル(もしくは58リットル)と書かれていたのですが、この数値が毎分の温泉湧出量だとすると、入浴施設の源泉としては決して多い量ではありません。

お湯は無色透明で僅かに塩味と重曹のしわざと思しきほろ苦みが感じられます。浴室内には弱いながらも消毒臭と思しき臭いが漂っていたのですが、おそらくこの浴場では塩素系薬剤による消毒が行われているのでしょう。味や匂いの面ではこれといった特徴は得られないのですが、含重曹食塩泉を名乗っているだけあって、その泉質らしいツルスベ浴感はしっかりと感じられ、少々のトロミもあり、入浴後の肌はしっとり滑らかになりました。

風呂上がりに番台のおじさんとお喋りしたのですが、曰くここの源泉は建物裏10メートル先にあり、650mボーリングして掘り当てたんだそうです。また、私が訪れたのは2015年秋の夕方4時頃でしたが、当地はちょうどリンゴの収穫で大忙しの時期であり、そのシーズンに限ってこのお風呂は遅い時間ほど混む傾向にあるんだそうです。一般的に地方の公衆浴場は夕方から夕食前の時間帯が最も混む傾向にありますが、所変われば品変わるで、そうした一般論を覆すお風呂もあるんですね。おじさんとコミュニケーションすることによって、リンゴ栽培が盛んな地域の生活文化の一面を知ることができました。


古懸温泉(代替)
ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉 47.1℃ pH未記載 溶存物質および成分総計未記載 
Na+:296.1mg,
Cl-:253.4mg, HCO3-:261.8mg,
H2SiO3:100.5mg, 他のデータ不明
(平成18年1月11日)

青森県平川市古懸門前屋岸10-2  地図
0172-45-2300

12:30〜21:30 火曜定休
250円
備品類なし

私の好み:★★
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