2011年8月19日(金)、一関市東山町長坂字里前地区の県道19号(一関大東)線沿いにある畑の縁に植えられている桃の木に、ボタンヅル(牡丹蔓)が、木を覆い尽くすほど繁茂し、びっしりと白い花をつけていました。もっとも花弁のように見えるのは4枚のガク片とのことで、多数の白くて長い雄しべと雌しべが目立ちました。
ボタンヅル(牡丹蔓) キンポウゲ科 クレマチス(センニンソウ)属 Clematis apiifolia
日当たりの良い山地や野原に生える木質のつる植物で、蔓の長さ2~4m。茎は枝分かれして、円錐状に花を付ける。葉がボタン(牡丹)の葉に似ていて、ほかの木に絡まりながらツル(蔓)を伸ばし、多数の花を咲かせるのでこの和名がある。葉は小葉が3個ある複葉で対生する。小葉は長さ3~6㎝の卵形で、先は尖り、縁には普通不揃いの鋸歯があるが、切れ込みのないものもある。
8~9月、直径2㎝ほどの白い花が群がってつく。花には花弁はなく、花弁状の萼片が4個ある。雄しべと雌しべは多数が花の中央に集合する。萼片の外側には白くて長い毛がある。果実はそう果で、先端に花の後伸びて羽毛状になった花柱が残り、風に乗って散布される。分布:本州、四国、九州。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑2・夏の花」&同「山渓名前図鑑・野草の名前(夏)」より]