peaの植物図鑑

草や木の花や木の実(果実)、特に山野草が好きで、デジカメを持ち歩いて撮っています。2024年3月、85歳になります。

福島県白河市表郷のビャッコイ(その2)  2011年9月17日(木)

2011年10月06日 | 植物図鑑

P2030209

P2030210

P2030201

P2030212

P2030263

P2030203

2011年9月17日(土)、福島県指定天然記念物「金山(かねやま)のビャッコイ自生地」を訪ねました。現地(福島県白河市表郷金山字上谷地&瀬戸原)には駐車場が見つからず、200mほど離れた鶴子山公園方面へ向かう道沿いにある竹ヤブの脇に駐めました。

下の画像は、最初に進行して行った道沿いに不動清水の湧水が流れる堀のような中に生えていたビャッコイで、まわりにはツリフネソウが沢山花を咲かせていました。

P2030211

P2030205

P2030208

P2030207

P2030260

P2030275

P2030276

P2030290

ビャッコイ ビャッコイ科 ビャッコイ属 Isolepis crassiusculus Hooker 

カヤツリグサ科 ホタルイ属の多年生植物とされてきたが、最近の研究でビャッコイ科 ビャッコイ属として独立させている。ビャッコイ属の植物は日本には1種しか知られていないが、世界ではスウェーデンなどに約70種あるという。ホタルイ属やハリイ属とは痩果に刺針がないことで区別される。ビャッコイ属は稈を分枝して走出状に這う。

起源は遥か氷河期時代といわれ、悠久の時を生きてきた植物とのこと。ビャッコイ自生の条件は水温常時10~12℃、半陰半陽(午前中陰り、午後から日差しが出る)、きれいな水が湧き出るなどの条件が揃っていないといけないとのことで、長い時間の様々な偶然が氷河期から現代まで生命を繋いできたものと思われる。昭和30年代には湧き水の出る水路を塞ぐほどの量があったビャッコイだが、最近の灌漑用水整備などで水量が減り、現在は絶滅危惧種に指定されているそうです。

http://hos0.big.ous.ac.jp/~hoshino/Labo/colorzukan/byakzk/byako.htm [ビャッコイ]

http://rakuras.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-948b.html [白河市表郷地区の「ビャッコイ」~第三回 白河の歴史「学びの会」より]

http://senpai3330.blog41.fc2.com/blog-entry-795.html

http://www.shidou.fks.ed.jp/jiten/cgi-bin/index.cgi?sheet=detail&name=%A4%B9%A4%BA%A4%AD%A4%C6%A4%A4%A4%B8%A4%ED%A4%A6&area=%C7%F2%B2%CF%BB%D4&hen=jn


一関市東山町「唐梅館公園」のクサギ(臭木)  2011年9月29日(木)

2011年10月06日 | 植物図鑑

P2090625

P2090623

P2090671

P2090641

P2090611

2011年9月29日(木)、一関市東山町「唐梅館公園」に行きました。西本町地区と北磐井里地区を結ぶ車道が通じており、峠付近の道路沿いに生えているクサギ(臭木)が、真っ赤な萼にのった藍色に熟した実を沢山つけていました。

峠からは、東側の遥か遠くに室根山(標高895m)が見えました。

P2090679

P2090617

P2090621

P2090620

P2090618

P2090626

クサギ(臭木) クマツヅラ科 クサギ属 Clerodendron trichotomum

山野の林縁や川岸などの日当たりの良い所に普通に生える落葉小高木。高さは3~5m、時に9mになる。樹皮は灰色で丸い皮目が多く、老木では縦に浅い割れ目ができる。葉は対生し、長さ8~20㎝の三角状心形または広卵形で、先は尖り、基部は円形。縁にはまばらに浅い鋸歯があるか、ほとんど全縁。脈上に軟毛が散生することがある。葉柄は2~10㎝と長い。若葉は食べられる。枝や葉を切ると独特の臭気(強い悪臭)があるのでこの和名がある。

8~9月、枝先の葉腋から長い柄のある集散花序を出して、香りの良い直径2~2.5㎝の白い花をつける。花冠は長さ2~2.5㎝の細長い筒状で、先は5裂して平開する。雄しべ4個と雌しべ1個は花冠の外に長く突き出て、先端は上向きに曲がる。葯は黒紫色で丁字形に付き、花粉は花の匂いに誘われて集まるガ(蛾)やチョウ(蝶)の体に付いて運ばれる。萼片は長さ約1㎝の卵形で、果期には平開して美しい紅色になる。

果実は、直径6~7㎜の球形で、光沢のある藍色に熟す。果実をワラ(藁)の灰汁で煮出した液で布を染めるとあさぎ(浅黄)色になる。根は薬用にされる。材は下駄、薪炭に利用される。分布:北海道、本州、四国、九州、沖縄、朝鮮、中国、台湾。

[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」より