世界遺産 特別史跡・特別名勝 毛越寺(もうつうじ)に行ってきました。6/20~7/10の日程で「あやめまつり」が開催中でしたので見に行ったのでしたが、例年に比べて遅れているとかで、花の最盛期には未だ間がありそうでした。
本堂の近くに植栽されている「セイダイ(聖代)」と思われるサツキツツジが、花を沢山咲かせていました。
(上)見学順路③本堂:毛越寺一山の本坊。本尊薬師如来(平安時代作)、脇士日光・月光両菩薩を安置。
この毛越寺の「ハナショウブ(花菖蒲)」を見に、数年前にも行ったことがあります。「延年の舞」が演じられるというのでその日を選んだのですが、今回も同じ理由からこの日にしたのでした。
(上と下)見学順路⑤大泉ケ池(おおいずみがいけ):塔山を背景に仏堂の前に造築された庭園で、池には南大門から中島、さらに円隆寺へと続く2つの橋が架けられていた。池は海を表現していて、汀には洲浜、荒磯、築山など海浜の景趣が配されている。
(上)見学順路⑰出島石組と池中立石(ちちゅうたていし):荒磯の風情を表現しており、飛島には約2.5mの立石が据えられている。池中立石は、毛越寺庭園を象徴する景趣である。
(上)「延年の舞」は11:00時から始まりました。私は最前列で写真を撮りながら見せていただきました。何度観ても素晴らしいです。(下)TVの取材?。
(上)司会の僧侶:毛越寺の沿革から演目の解説までしていただきました。江戸時代の紀行家・菅江真澄もここを訪れたという記録があると話されていました。
延年の舞:法会の後に神仏に奉納される歌舞を「延年」といい、毛越寺の「延年の舞」は中世より伝承されてきたものである。正月の祭礼には、田楽、路舞、祝詞、若女禰宜、老女、児舞い、勅使有吉が順次奉納される。他に能「留鳥」、舞楽「迦陵頻」などが伝えられている。
(上)「延年の舞」を観る観客。
(上と下)最初の演目:路舞
(下4つ)2番目の演目:若女・禰宜(ねぎ)
(下4つ)3番目の演目:老女
(下)4番目の演目:王母の昔
ツツジ科 ツツジ(ロドデンドロン)属 Rhododendron:北半球温帯、熱帯高山、特にヒマラヤ、中国、日本などに多く、850種が自生する常緑、落葉の低木、高木。花が大きく美しい種類が多いので人気が高い。このため園芸品種も多く、世界的に栽培される。
サツキツツジ ツツジ科 ツツジ(ロドデンドロン)属 Rhododendron indicum
一般にはサツキ(皐月)と呼ばれる。関東地方以西の川岸に自生するというが現在は珍しくなった。しかし、鉢植え、盆栽、庭木として広く植えられている常緑低木で、高さは1mほどになる。葉は互生し、長さ2~3.5㎝の披針形または広披針形で質は厚い。縁には微鋸歯がある。
5~7月、枝先に朱赤色または紅紫色の花が1個まれに2個咲く。花冠は直径3.5~5㎝の漏斗形で5中裂し、上弁に濃い斑点がある。雄しべは5個で葯は暗紫色。雌しべは1個。蒴果は長さ7~10㎜の長卵形で褐色の剛毛がある。用途:庭木、盆栽、花材。分布:本州(関東地方西部・富山県以西)、四国、九州(屋久島まで)
サツキの園芸品種は江戸時代より多く育成され現在まで栽培されている。1株にあらわす色彩の変化に特徴がある。
サツキの原種に近い形態の’オオサカズキ(大盃)’cv.Oosakazuki、’イシヤマ(石山)’と’シュチュウカ(酒中花)’の交配種で秋に紅葉する早咲きの’セイダイ(聖代)’cv.Seidai、もと日光の輪王寺にあったものを鹿沼市の寺の住職が挿し芽で殖やしたものという’コウザン(晃山)cv.Kouzan、江戸時代から知られている采咲きの代表的品種・’キンザイ(金采)’cv.Kinzai、’カホウ(華宝)’cv.Kahou、カホウ(華宝)の枝変わりとして生じた’ギョウテン(暁天)’cv.Gyoten、ギョウテンとコトブキ(寿)の交配実生の’ジュコウ(寿光)’cv.Jyukou、名花マツナミ(松波)の実生’マツカガミ(松鏡)’cv.Matsukagami、もと鹿沼市にあったもので、花は5個の雄しべが長く突き出した剣咲き状の特異な形で、秋に紅葉する'チョウジュホウ(長寿宝)’cv.Chojuhou、’群望錦’cv.Gunbounishiki、系統不明の自生実生種・葉は光沢があり、紅葉する、’ヤタノカガミ(八咫の鏡)’cv.Yatanokagami、’晃上の月’cv.Koujyounotsuki、’真如の月’cv.Shinnyonotsukiなどがあり300品種以上は栽培されている。
花色のほか花の大きさ、花弁の形などの変異が多く人気がある。開花期はほかのツツジ類より遅く、ちょうど梅雨期に多く咲くので日本特有の雰囲気をあらわす。栽培:繁殖は挿し木、実生。[山と渓谷社発行「山渓カラー名鑑・日本の樹木」&同「同・園芸植物」より]