2012年6月19日(火)、一関市銅谷町「Book Off」のすぐ近くの民家の庭に群植されているオオマツヨイグサ(大待宵草)と思われる草花が、黄色い花を沢山咲かせていました。普通「花は夕方咲き始め、朝方しぼむ」のですが、この日は雨降りの天気だったため、お昼頃にも未だ咲いていました。
アカバナ科 マツヨイグサ属 Oenothera:この仲間は、夕方から咲き始め、朝にはしぼんでしまう。夜を待って咲くために、「宵待草」である。しかし、植物名では「待宵草」になった。さらに、この仲間はすべて外国から渡来した種類ばかりで、日本在来種はない。
幕末の頃(嘉永年間)に北米から渡来したのが、ツキミソウ(月見草)である。この仲間の内で、ツキミソウだけが白花である。同じ頃、渡来したのがマツヨイグサで、ツキミソウより丈夫で広まった。明治初期、草姿も花も大きい種類が欧州(北米原産)から渡来したので、オオマツヨイグサに。明治末期頃にアレチマツヨイグサ(メマツヨイグサ)が北米から渡来。前述の2種と区別するため、「アレチ(荒地)」とつけた。
オオマツヨイグサ(大待宵草) アカバナ科 マツヨイグサ属 Oenothera erythrosepala
北アメリカ原産の2年草だが、日本にはヨーロッパで品種改良されたものが入ってきたと考えられている。もとは河原や海辺などに広く野生化していたが、最近はめっきり少なくなってしまった。この仲間では花と草丈が最も大きく、直径4~8㎝近くある。高さは1m以上になる。花期は7~9月。
アレチマツヨイグサ(荒地待宵草) アカバナ科 マツヨイグサ属 Oenothera biennis
別名:メマツヨイグサ(雌待宵草)。北アメリカ原産の2年草。明治時代に入ってきて、いつの間にかこの仲間では最も普通に見られるようになっている。高さは50~150㎝。花期は6~9月。花は黄色で、オオマツヨイグサより小さく、直径4㎝前後。花弁と花弁の間に隙間があるものを「アレチマツヨイグサ」と呼ぶこともある。
[山と渓谷社発行「山渓ポケット図鑑2・夏の花」&同「山渓名前図鑑・野草の名前(夏)」より]