紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

小さな生まれ出ずる命

2004-10-25 16:26:31 | 15・心に残ること
先週21日の木曜日の朝。
近くに住む友人のKさんの娘さんに赤ちゃんが生まれた。
おお、無事に生まれてよかった。と思うと同時に、前の日無事に病院に連れて行ってあげられてよかった、と思った。
前の日の20日は超大型の23号台風が来た日だった。

その日、私の所に友人から電話がかかってきたのは、午後3時頃だった。
「どうも何かおかしい。でも、陣痛ではないみたい。」ということだった。
「でもね、これから台風が東京にやってくるし、すごい暴風雨の時に病院に連れてゆくのは大変だし、タクシーつかまんないかもしれないよ。」
そして、とりあえず病院に行くことになった。病院の場所は府中だというし、20分くらいか。私が運転してゆくことになった。
家を出た時はそう大したことはなかったが、甲州街道まで行ったら、滝のような大雨。ちょっと先も見えない。おまけに反対車線では事故があったらしく、パトカーだの救急車だの止まっていて、渋滞している。

そのあたりで、こんな大変な日に、私が運転する車に、妊婦さんをのせていってよかったのか、心配になった。なんせ、25年間運転したことがなくて、3年ほど前に、再開したばかり。それも父と母を病院に連れて行く時しか運転したことがない。とにかく、ゆっくりゆっくり行こうと、思った。
病院に着いた時は、本当にほっとした。

次の日の朝、生まれたと聞いた時は、嬉しさもさることながら、よかった、無事に運んであげられてと思った。

ちょうどその頃、「週末の翼」というBlogで、赤ちゃんのコブシの話しを読んだ。

「赤ちゃんって、生まれてくる時にはコブシを握っているんですね。
何かを大事そうに握っているようにも思えます。
ある人によれば、「夢」と「希望」のようなものを、その両方のコブシに握り締めて生まれてくるのだと・・・。
そうして大きくなるにつれ、大事に握っていた"何か"を失くしてしまうのだと・・・。」

なんとなくいい話しだなあと思ったので、ここに書かせていただきました。
◆ 「週末の翼」Birth -そのコブシを握り締めて-にトラックバック。

(写真は息子が一ヶ月目の時の。まだコブシをにぎっている。あれから25年。果たして今は・・)