紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

ドーバーばばぁ

2013-10-12 17:23:51 | 13・本・映画・演劇・音楽など

中島久枝さん・作の「ドーバーばばぁ」の本を読んだ。

金曜日はほぼ2ヶ月に1度の病院で、午前から午後にわたって、いやっというほど待ち時間があった。
待っている間に読み終えた。

私の友人が送ってくれた本だ。作者とは中学の同級生だという。
ということは、私とは同年齢の人の作だ。

初めに映画ありき。この本は、ドキュメンタリー映画「ドーバーばばあ 織姫たちの挑戦」を本にしたものだ。
なにが中島さんを突き動かして、映画を作らせたのか。
とあるボランティア活動中に、リーダーの「還暦前にドーバーを泳ぎたいなあ」という声が聞こえた時に、ビビッときたのだという。

ばばあの年代の人たちが、何かに燃えて、一生懸命に向かっていく姿につき動かされたということだろう。

それから2年間、メンバーは少し入れ替わるが、ドーバー海峡横断リレーを実現するまでの軌跡を、中島さんはカメラを持って追っていく。

54歳から67歳までの6人。
その人たちが、家族にもいろいろ問題をかかえたり、自分自身の身体にもふりかかる災難を乗り越えて、ドーバーを泳ぎ切るまでの記録だ。
6人は、イギリスからフランスの間のドーバー海峡35kmをリレーでつないで、14時間22分で泳ぎ切った。

この海峡は、海水が冷たいし、うねりがある。ただふつうに35km泳ぐのとは全く違う困難な場所だ。
だけど、その冷たさのために、1時間泳ぐことがとても大変なのだ。
それを乗り越えるには、ただ手足を動かし続けるしかない。
1人1時間を泳いで、次につながないと、失格になる。足がつろうがなにしようが、1時間はなんとしても泳ぎ続けなくてはならない。

これは、歳をとってからも、何かに向かって、燃えて挑戦する女性たちの記録だ。

元気な女性たちの記録をみて、やはり、私ももっと燃えて生きたいねと思った。