紅蓮(ぐれん)のポケット

子どもの本の作家・三輪裕子のふつうの毎日
2015年夏。三宅島で農業を始め、東京と行ったり、来たりの生活になる

やなせたかしさんのこと

2013-10-17 17:50:06 | 13・本・映画・演劇・音楽など
10月13日、やなせたかしさんが亡くなった。享年94歳

やなせさんといえば、最近では、孫も大好きな「アンパンマン」でなじみが深いが、その昔、私が初めて出会ったのは、詩だった。
高校1年生の頃、やなせさんの詩が好きで好きで、空でいえるほどだった。

ほんの小さな哀しみに
ほんの小さな胸いたむ
ほんの小さなよろこびに
たちまち胸に灯がともる
ほんの小さなよろこびよ
おまえにあうのはひさしぶり

ほほえむことを
わすれちゃいけない
涙はいまも
こぼれているが
すぎたことなど
夢とおなじさ
おもいだしちゃ
いけない
哀しいことを

どこへいこうか
あてもないなあ
青いズボンも
泥だらけだが
ドタ靴はいて
旅にでようか
青春は
ただいちどだけ

じゃまするな
じゃまするな
じゃまするな
生きるよろこびを
楽しみを
歌うことを
笑うことを
涙ながすことを

人間なんてさみしいね
人間なんておかしいね
心と心がふれあって
何もいわずにわかること
ただそれだけのよろこびが
人間至上の幸福さ

そんなこんなの詩が書いてある本を、いつも持ち歩いていた高校1年・2年生のころ。
いつしか詩集は手元からなくなってしまった。
他のホームページから、なつかしい詩集の表紙を探し出した。(写真トップ)


4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (マサ)
2013-10-18 14:38:18
やなせさん、こんな詩もお書きになっていたんですね。心に灯がともるような素敵な詩ですね。
よく知っている「てのひらに太陽を」も、やなせたかしさんの作詞だったとは。亡くなって初めて知りました。
「生きているからかなしいんだ」って、逆に励まされる気がします。

「アンパンマン」には関心がありませんでしたが、最近はよく見ます(笑)
アンパンマンも、ショクパンマンも、ジャムおじさんもバタ子さんも、バイキンマンも、きっとこっそり泣いていることでしょう。
返信する
マサさんへ (紅蓮)
2013-10-18 17:53:44
この詩の印象がすごく強かったので、漫画家として有名になられた時には、ちょっと驚きましたね。
でも、子どもたちに好かれ、人を優しい気持ちにさせるのは、こういう詩を書いていた人だからだなあとも思います。
「手のひらに太陽を」も名曲ですね。
返信する
思い出していました ()
2013-10-21 13:20:35
やなせたかしさんのこと。
高校時代、紅蓮さんとクラスメートだった頃、
誕生日にもらった手紙に詩が書いてあったよね。
やなせたかしといえば、私たちには
アンパンマンというより、詩人だったと
娘に話をしていた今日この頃…。
私も高校のころを思い出していました。
返信する
楽さんへ (紅蓮)
2013-10-21 14:02:20
あのほのぼのとした詩に、はまってしまいましたね。当時。
そして、今なら、きっと携帯メールだと思うようなことを、手紙に書いては、ロッカーに入れあったり。よい時代だったわよね。
孫にクッキーを焼きながら、やはりあの頃、クッキーにイニシャル書いて、家庭科の時間に焼いたことも思い出していました。
返信する

コメントを投稿