◇ 鉄鋼とアルミの輸入制限 = トランプ大統領が、いよいよ鉄鋼とアルミニウムの輸入制限に乗り出す。中国やメキシコを主な標的にしていると伝えられるが、商務省が作成した草案では日本を含む世界中からの輸入が対象となっている。トランプ大統領は“アメリカ・ファースト”の旗印を掲げ、これまでNAFTA(北米自由貿易協定)やTPP(環太平洋経済連携協定)などの枠組みを否定してきたが、今回は具体的な輸入制限という保護貿易政策にまで踏み込むことになった。
商務省が作成し大統領に提出した草案は、3つの選択肢から成っている。鉄鋼については①すべての国からの輸入に24%以上の追加関税をかける②中国、ブラジルなど12か国に対して53%以上の関税をかけ、その他の国に対しては17年の実績と同じ輸入枠を設ける③すべての国に対して17年実績の63%に相当する輸入枠を設ける――という内容。アルミの輸入制限案も似たような内容になっている。
トランプ大統領が、どの選択肢を選ぶかはわからない。この原案を修正する可能性も少なくない。だが、いずれにしても鉄鋼については4月11日、アルミについては4月19日に最終決定することになっている。WTO(世界貿易機関)はこうした一方的な貿易制限の実施を禁じているが、アメリカ政府は「安全保障上の観点から実施するもので、WTOの規約違反ではない」と弁明している。
すでに中国政府は「中国の利益に影響するなら、必要な措置を講じる」と声明。日本鉄鋼連盟も「日本の製品はアメリカの安全保障上の脅威になっていない」という意見書を米商務省に提出した。いちばん心配なのは、中国やEUが報復措置をとって無秩序な貿易戦争の状態に陥ること。日本政府も傍観している場合ではない。
≪20日の日経平均 = 下げ -224.11円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
商務省が作成し大統領に提出した草案は、3つの選択肢から成っている。鉄鋼については①すべての国からの輸入に24%以上の追加関税をかける②中国、ブラジルなど12か国に対して53%以上の関税をかけ、その他の国に対しては17年の実績と同じ輸入枠を設ける③すべての国に対して17年実績の63%に相当する輸入枠を設ける――という内容。アルミの輸入制限案も似たような内容になっている。
トランプ大統領が、どの選択肢を選ぶかはわからない。この原案を修正する可能性も少なくない。だが、いずれにしても鉄鋼については4月11日、アルミについては4月19日に最終決定することになっている。WTO(世界貿易機関)はこうした一方的な貿易制限の実施を禁じているが、アメリカ政府は「安全保障上の観点から実施するもので、WTOの規約違反ではない」と弁明している。
すでに中国政府は「中国の利益に影響するなら、必要な措置を講じる」と声明。日本鉄鋼連盟も「日本の製品はアメリカの安全保障上の脅威になっていない」という意見書を米商務省に提出した。いちばん心配なのは、中国やEUが報復措置をとって無秩序な貿易戦争の状態に陥ること。日本政府も傍観している場合ではない。
≪20日の日経平均 = 下げ -224.11円≫
≪21日の日経平均は? 予想 = 下げ≫