経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

米中貿易は 全面戦争へ (下)

2018-09-12 07:20:59 | 貿易
◇ 資本主義と社会主義の覇権争い = トランプ大統領が中国に対する関税引き上げの第3弾、第4弾を発動すると、これはもう全面戦争の状態になる。米中両国の経済が打撃を受けるだけではなく、日本企業などの経営にも大きな影響が及ぶだろう。たとえば中国で生産しアメリカへ輸出している企業は、生産拠点の移動を考える必要に迫られる。逆に中国での生産を増やし、アメリカ製品が撤退したあとの市場を獲得しようと考える企業も出てくるだろう。

米中両国はこうした事態に陥るのを避けようと、一時は次官級による協議も行った。しかし話し合いは進展せず、交渉は立ち消えになったようだ。アメリカ側の要求のうち、中国側が最も受け入れ難たかったのは、おそらく「製造2025」の抜本的な修正だったろう。これは中国政府が、25年までに10大製造業の高度化を達成するための政策だ。

欧米諸国や日本でも、この種の計画は造られる。しかし中国の場合は、政府が財政支援を含めて全面的に関与する形。アメリカはこれが不公平だと指摘して、修正を強く求めている。だが中国政府としては、共産党の最重要政策となっているから口出しされたくない。その根底には、社会主義なのだから政府が産業政策に関与するのは当たり前だという考え方が存在する。

ここまでくると、資本主義と社会主義の対立という構図が鮮明になってくる。さらに問題は、貿易や経済にとどまらないかもしれない。2つの大国の太平洋やインド洋、アフリカにおける覇権争いにまで発展する危険性もないではない。米中貿易戦争は、こうした恐ろしさを含んでいる。だから怖い。

       ≪11日の日経平均 = 上げ +291.60円≫

       ≪12日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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