経済なんでも研究会

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厳しいぞ! 日米貿易協議 (下)

2018-09-29 08:20:39 | 貿易
◇ 肉を買って車を売ることに? = トランプ大統領は牛肉や米などの農畜産物についても、輸入増加を迫っている。中間選挙では、自動車と並んで農村地帯でも票を獲得したいからだ。この農畜産物について、日本はTPPで決めた水準までしか自由化できないと主張している。その内容は、現在38.5%の牛肉に対する関税を27.5%とし、16年後には9%まで下げる。米は5万トンに限り、無関税で輸入するというもの。

だが、こうした措置に防衛装備品やLNGの購入増加を加えても、その総額は1兆円程度にしかならない。アメリカの対日赤字は7兆円だから、トランプ大統領はとうてい満足しないだろう。結局、日本側は農畜産物の輸入をさらに自由化する代わりに、自動車に対する数量規制を止めるよう頼み込むしかないのではないか。

かつて沖縄が返還されたとき、日本は繊維製品の対米輸出を自主規制した。この交渉は当時「糸を売って縄を買った」と皮肉られたものである。その伝で言えば、今回は「肉を売って車を買う」ことになる。だが実際はアメリカに自動車を売って、アメリカから牛肉を買うことになるから、ややこしい。

農畜産物の輸入をTPPの水準より拡大すると、すでに協定を結んだTPP相手国とアメリカとの間で不公平が生じる。また国内の農家に対して、安倍首相は「TPPの水準は守る」と何度も約束してきた。前者はTPP加盟国に、アメリカ並みの自由化を認めるしかないだろう。後者は補正予算で、補助金の増額を計る。あんまり褒められる話ではないが。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +323.30円≫

       【今週の日経平均予想 = 2勝2敗】   

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