経済なんでも研究会

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厳しいぞ! 日米貿易協議 (上)

2018-09-28 05:37:19 | 貿易
◇ 切り札は自動車の数量規制 = 安倍首相とトランプ大統領の会談で、貿易問題については3つの原則が決まったと伝えられる。①日本側は物品についての貿易協議に応じる②日本の農畜産物輸入については、TPP(環太平洋経済連携協定)で決めた内容以上には譲歩しない③協議の継続中、アメリカは自動車の輸入制限をしない――の3点である。なにやら日本側の言い分が、すべて通ったような感じもする。

だが真相は全く異なるのだろう。もし、この3原則通りなら、もう交渉など必要ない。首脳会談後の共同声明で「細目の詰めは残っているが、日米の貿易交渉は決着した」と書けたはずだ。特に「協議の継続中は、自動車の輸入規制は行わない」という一項は、きわめて危険。アメリカ側は、いつでも「協議を打ち切るぞ」と脅しをかけられるからだ。

アメリカ側は「日本車の輸入に数量規制を設ける」という切り札を、そんなにあっさり捨てるはずがない。財務省の貿易統計によると、17年度の対米貿易黒字は6兆8000億円。自動車の輸出台数は178万台、金額にして4兆6000億円だった。一方、アメ車の輸入は2万1300台、金額は1032億円にとどまっている。トランプ大統領は、この不均衡を何とかしろと怒鳴っているわけだ。

たとえば現在2.5%の関税で輸入している日本車の台数を150万台までとし、それ以上の輸入には25%の関税をかける。交渉で日本側の対応が不満足ならば、こうした要求が出てくる可能性は十分にありうるだろう。これを避けるために、日本側は農畜産物、防衛装備品、LNG(液化天然ガス)の輸入を増やすしかない。だが、どこまで増やせばアメリカ側を納得させられるのだろうか。

                            (続きは明日)

       ≪27日の日経平均 = 下げ -237.05円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ


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