◇ ショックの再来はある? ない? = アメリカの大手投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破たんしたのが、ちょうど10年前のきょう9月15日。あっという間に金融不安は全世界に広がり、各国は同時不況に苦しむことになった。いわゆる“リーマン・ショック”である。あれから10年たった現在、世界経済は完全にショックから立ち直ったように見受けられる。しかし専門家の間では「ショックはもうない」という見方がある半面、「ショックの再来には注意」という見解も強まってきているようだ。
10年前の金融不安は、アメリカの住宅バブルが崩壊したことで惹き起こされた。リスクの高い住宅証券が高値で売り出され、住宅価格が急落したために証券価格が暴落。銀行も個人も多額の負債を抱え込んで、身動きがとれなくなった。各国の政府・中央銀行が財政・金融面から思い切った景気刺激策をとり、やっとショックを克服したことは周知の通り。
当時と比べると、世界経済は格段に強さを増した。先進国の企業は史上最大の利益をあげ続け、株価も大幅に上昇している。金融機関の経営に対する規制も整備された。だから“リーマン”の二の舞はもうない、という見方が広まっている。しかし、その一方で「金融恐慌は忘れたころにやってくる」と、警鐘を鳴らす専門家も少なくない。
ショックの芽は、アメリカや中国の不動産バブル、あるいは資金流出に苦しむトルコなど。どこに潜んでいるのかは判然としない。だが世界の債務総額は250兆ドルと、リーマン当時より4割増加した。その債務の一部が焦げ付けば、第2の“リーマン”が起こる危険性はある。しかも各国の政府や中央銀行は、当時に比べるとショックを和らげるための手段を失った。「火事が起きる危険は小さくとも、もし起これば消せない」不安を指摘する声は、無視できないだろう。
≪14日の日経平均 = 上げ +273.35円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】
10年前の金融不安は、アメリカの住宅バブルが崩壊したことで惹き起こされた。リスクの高い住宅証券が高値で売り出され、住宅価格が急落したために証券価格が暴落。銀行も個人も多額の負債を抱え込んで、身動きがとれなくなった。各国の政府・中央銀行が財政・金融面から思い切った景気刺激策をとり、やっとショックを克服したことは周知の通り。
当時と比べると、世界経済は格段に強さを増した。先進国の企業は史上最大の利益をあげ続け、株価も大幅に上昇している。金融機関の経営に対する規制も整備された。だから“リーマン”の二の舞はもうない、という見方が広まっている。しかし、その一方で「金融恐慌は忘れたころにやってくる」と、警鐘を鳴らす専門家も少なくない。
ショックの芽は、アメリカや中国の不動産バブル、あるいは資金流出に苦しむトルコなど。どこに潜んでいるのかは判然としない。だが世界の債務総額は250兆ドルと、リーマン当時より4割増加した。その債務の一部が焦げ付けば、第2の“リーマン”が起こる危険性はある。しかも各国の政府や中央銀行は、当時に比べるとショックを和らげるための手段を失った。「火事が起きる危険は小さくとも、もし起これば消せない」不安を指摘する声は、無視できないだろう。
≪14日の日経平均 = 上げ +273.35円≫
【今週の日経平均予想 = 3勝2敗】