経済なんでも研究会

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バイデン大統領の 正念場

2021-08-18 07:03:02 | アメリカ
◇ 超党派で1兆ドル予算を可決したが = アメリカ上院は先週、総額1兆ドル(約110兆円)の「インフラ投資法案」を可決した。道路・橋、鉄道・電力網、EV充電施設などの新設、補強工事に使われる。採決では19人の共和党議員が賛成に回り、関係者をびっくりさせた。バイデン大統領は予算の総額を当初案より削り、また法人税の引き上げを見送ることで一部の共和党議員を懐柔。予想を上回る柔軟性を発揮したと評価されている。

バイデン政権は来年度予算の骨格となる「予算決議案」も、先週の上院で可決させた。総額は10年間で3兆5000億ドル(約386兆円)、幼児教育や子育て減税など、バイデン大統領の「アメリカ家族計画」を具体化した内容。企業や富裕層への増税案も含まれている。この「予算決議案」は「インフラ投資法案」と合わせて、下院に送られる。ところが下院は共和党が過半数を制しているから、難航するに違いない。バイデン大統領が、ここでも手腕を発揮できるかどうか。

ことし1月に誕生したバイデン政権。ここまでの成績は、かなり評価されていい。国内ではコロナで傷んだ景気の回復に成功、雇用情勢の改善も予想を上回っている。また国際面では、トランプ前大統領が破壊した西側同盟の再構築を果たしたと言えるだろう。法人税率の最低限度を設定したり、地球温暖化の抑制に向けたパリ協定へ復帰するなど、世界を大きく動かした。

もちろん、手つかずの問題も多い。膨れ上がった財政赤字の処理、分断された国民感情の修復。中国との関係、イランやアフガニスタンへの対応。どれ1つをとっても、きわめて難しい問題が山積している。そして来年11月の中間選挙。それまでにバイデン大統領が、どんな手を打つのか。前向きな評価が重ならなず、中間選挙に勝てないと、これまでの努力が水泡に帰してしまう可能性がある。正念場だ。

        ≪17日の日経平均 = 下げ -98.72円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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