経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

企業業績の先行きに 黒雲 (下)

2022-04-06 08:22:19 | 利益
◇ ウクライナ紛争の悪影響は長期化する = 日銀が発表した3月の短観で、全規模・製造業の景況判断指数はプラス2だった。昨年12月調査のプラス6から4ポイント低下している。非製造表の判断指数もゼロからマイナス2に悪化した。さらに3か月後は製造業がゼロへ、非製造業はマイナス5になる見通しだ。特に木材・木製品、石油・石炭製品、鉄鋼業界は、3か月後に指数が20ポイントも低下すると予想している。

22年度の純利益に関する予想をみると、全規模・全産業で1.3%の減益。このうち製造業は2.5%の減益、非製造業は0.1%の減益見込みとなっている。ウクライナ紛争によるエネルギーや資源価格の高騰が、コスト面から経営を圧迫。円安も持続するため、利益は縮小する。多くの企業経営者は、すでに業績の悪化を覚悟していると考えていい。

各国が直面した状況には、大きな差異がある。アメリカは金融引き締めで、インフレが収まるのか。それとも景気が後退するのか。そのジレンマに悩んでいる。ヨーロッパは紛争地に近く、ロシアからのLNG(液化天然ガス)供給不安に怯える。新興諸国は通貨防衛のために利上げ、景気を犠牲とする形になった。そして日本はコロナに物価騰貴、さらに円安の進行が大きな重荷となりつつある。

最大の問題は、こうした状況から世界同時不況の可能性が見えてきたことだ。その根源となっているウクライナ紛争は、仮に停戦が実現したとしても、悪影響は長期化する。ロシアと西側が和解し経済が正常化するまでには、年単位の時間が必要だろう。とすればエネルギー・原材料・食料の高騰は、一過性の現象ではなくなる。企業経営者は、こうした展望を視野に入れ始めた。

        ≪5日の日経平均 = 上げ +51.51円≫

        ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>