経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

誰のための 金融緩和なのか? (下)

2022-04-21 08:09:35 | 日銀
◇ ゼロ金利政策に高まる批判 = 超金融緩和政策が惹き起こす円安のマイナス面が、誰の目にも明らかとなってきた。このため経済界やエコノミスト、マスコミも、ようやくゼロ金利政策への批判を始めている。お断りしておくが、この「経済なんでも研究会」では、2年も前からゼロ金利政策には反対してきた。ただ、その理由は「円安になるから」ではない。

いま日本の企業と家計は、合計すると1400兆円もの現金と預金を保有している。だが預金をしても利子が付かない。金融機関は貸し出しても金利が取れない。いわば1400兆円もの資産が‟死に金”になっている状態だ。仮に預金に1%の利子が付けば、家計には年10兆円もの利息が入り、それだけ消費も増える。景気を良くするためにはゼロ金利から脱却すべし、という主張だった。

黒田日銀総裁は13日、信託大会で「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と力説した。しかし18日になると、衆議院で「急速な円安はマイナスになる」と発言。高まる批判を意識したのだろうか、少し姿勢を変えた。だがメンツもあって、とうてい「ゼロ金利を止める」とは言えない。その一方でアメリカの金利は着実に上がって行くから、円相場はさらに下落するだろう。

こうした予測を基に、最近は「135円説」も強まってきた。そうなれば、それだけ輸入物価を押し上げ、ゼロ金利のマイナス効果はさらに増大する。さすがに見かねたのか、鈴木財務相も「いまの円安は悪い円安だ」と論評した。しかし円安の原因であるゼロ金利にまでは踏み込めない。結局は、日銀自身が「誰のため、なんのためのゼロ金利なのか」を考え直すしかない。

        ≪20日の日経平均 = 上げ +232.76円≫

        ≪21日の日経平均は? 予想 =  上げ≫

Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>