経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

政府の満足は 日銀の不満 : 実質賃金増

2017-02-10 08:14:25 | 賃金
◇ 理解しにくい日銀の物価目標 = 厚生労働省が発表した16年の毎月勤労統計によると、現金給与総額は月平均31万5372円で前年より0.5%増加した。一般労働者は0.8%増加したが、パート労働者は0.1%減少している。内訳をみると、基本給に当たる所定内給与は0.2%の増加。残業料などの所定外給与は0.6%の減少、ボーナスなど特別な給与は2.0%の増加となっている。目立った点は、物価を調整した実質賃金が0.7%増加し、5年ぶりにプラスを記録したことだろう。

安倍政権は「賃金の上昇⇒消費の拡大⇒経済活動の活発化⇒賃金の上昇」という経済の好循環が生じることを渇望してきた。首相自らがしばしば経済界の首脳に賃上げを要請したのは、このためである。16年の実質賃金が5年ぶりのプラスとなったことは、その兆しが表れたとみることもできるだろう。ただし今後その好循環が発生するかどうかは、かなり疑わしい。

というのも、16年の実質賃金がプラスになったのは、物価が0.2%下落した影響が大きい。ところが17年を展望してみると、物価は原油高や円高で強含みの予想。物価が上昇すれば、実質賃金はまたマイナスの領域に押し戻されてしまう。したがって安倍首相はもちろんのこと、政府部内では物価が上昇しないことを願う声が高い。

一般市民の立場からは当然ながら、物価は安定していた方が暮らしやすい。だが日銀は全く逆の考え方である。金融をどんどん緩和して「物価を2%上昇させること」を、至上の目標としているからだ。だから日銀の考え方からすると、16年の実質賃金がプラスになったことは好ましくない。17年は物価が上昇した方がいい。政府と真逆の方向を目指す日銀を、国民はどう評価すればいいのだろう。

      ≪9日の日経平均 = 下げ -99.93円≫

      ≪10日の日経平均は? 予想 = 上げ


鬼が出るか蛇が出るか : 日米首脳会談 (下)

2017-02-09 08:12:39 | トランプ
◇ 表向きはウィンウィンの関係に = 自動車問題について、安倍首相は「アメリカ車の輸入に全く規制はない」「輸入関税は日本側がゼロ、アメリカ側は2.5%」と説明するだろう。しかし16年の貿易統計をみると、全体の黒字額が4兆円なのに対して、アメリカとの貿易は自動車だけで4兆4000億円の黒字。トランプ大統領から「これを何とかしてほしい」と頼まれたら、安倍首相はどう答えるのか。

為替介入も中国は公然と行っているが、日本は東日本大震災のとき以来やっていない。だが日銀の量的金融緩和やマイナス金利政策が日米間の金利差を広げる結果となり、ドル高・円安を招いていることは事実だ。この点をトランプ大統領から突かれた場合、安倍首相はどう切り返すのか。ちょっと気になる。

今回の訪米に際して、安倍首相はお土産を用意した。一部の報道によると、その内容は「日本はアメリカに対して、10年間で1500億ドルの資金を供与」「高速鉄道事業への技術提供」などで、70万人の雇用を創出するというもの。さらに安倍首相は出発前にトヨタの豊田社長とじっくり懇談しているから、手土産はもっと増えたかもしれない。

日米安保体制の再確認は、オバマ時代からの政策を踏襲したものに過ぎない。だからアメリカ側としては手ぶらで、お土産だけをもらうことになる。したがって首脳会談後、トランプ大統領は「貿易不均衡の是正と為替レートの適正化を要求した」程度を公表するにとどめ、首脳会談は大成功の雰囲気を演出する可能性が強い。だが、その裏で2国間貿易協定に関するどんな取り決めがあったのか、なかったのか。真実は時間が経たないと、明らかにならないだろう。

      ≪8日の日経平均 = 上げ +96.82円≫

      ≪9日の日経平均は? 予想 = 下げ


2月8日(水)のつぶやき

2017-02-09 04:57:04 | 株価

鬼が出るか蛇が出るか : 日米首脳会談 (上)

2017-02-08 08:36:03 | トランプ
◇ 異例の厚遇が意味するものは? = まるで人跡未踏の秘境探検に出かける心境かもしれない。今週10-11日にトランプ新大統領と会談する安倍首相の心持ちである。会談の主たるテーマは、安全保障問題と経済問題。このうち安全保障問題はマティス国防長官が来日して、ほぼ片付いてしまった。したがって首脳会談では、日米間の貿易をはじめとする経済問題に議論は集中するだろう。

来日したマティス国防長官は安倍首相や稲田国防相との会談で、日米同盟の強化を進めることで一致した。また尖閣諸島が日米安保条約の適用対象であることも確認。さらに米軍駐留費の負担問題については「他の同盟国のお手本になる」とまで持ち上げてくれた。日本側としては、全く言うことなし。首脳会談では、これらの諸点を追認するだけだろう。

安倍首相はトランプ大統領とホワイトハウスで10日に会談したあと、11日にはフロリダ州パームビーチの別荘に移動して首脳同士のゴルフを楽しむ。その移動には大統領専用機が使われるというから、これは全く破格のもてなしだと言っていい。マティス国防長官の言動といい、安倍首相への待遇といい、なにやら「あとが怖い」という気がしないでもない。

経済問題のテーマは、自動車と為替に絞られる公算が大きい。トランプ大統領は1月23日「日本市場でアメリカ車が売れないようにしている」と発言。1月31日には「われわれが座っている間に、日本と中国は通貨安を誘導している」と非難した。安倍首相はこうしたトランプ氏の誤解を解くため、懸命に説得する方針。だがビジネスマン大統領が、素直に説得されるかどうかはきわめて疑わしい。

      ≪7日の日経平均 = 下げ -65.93円≫

      ≪8日の日経平均は? 予想 = 上げ


Zenback

<script type="text/javascript">!function(d,i){if(!d.getElementById(i)){var r=Math.ceil((new Date()*1)*Math.random());var j=d.createElement("script");j.id=i;j.async=true;j.src="//w.zenback.jp/v1/?base_uri=http%3A//blog.goo.ne.jp/prince1933&nsid=145264987596674218%3A%3A145266740748618910&rand="+r;d.body.appendChild(j);}}(document,"zenback-widget-js");</script>