魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

シャプタリザシオンって何なのよ?

2006年12月27日 | ワイン ~2020年
今日はちょっと堅いです。ゴメンナサイ。
まずお詫びしておきましょう。マニアックですので、ふーん、そんなもん?
ってな具合で軽~く飛ばして下さい。


本日のワイン
2002 Bourgogne Rouge (Christian Clerget)
ブルゴーニュ ルージュ(クリスチャン・クレルジェ)

香りは派手さはなく、古樽(朽ちた木)、軽いベリーとちょっと土、
古く薄いインク(鮮烈でない軽~いインク)等のイメージです。

味わいはクッキリとした輪郭やスパイシーさ、きりっとしたニュアンスは
弱いです。ぼくとつとして質素、田舎風といいましょうか、派手でなく
飾らない味わいです。古びた赤レンガという感じでとらえて下さい。

ちょっとマニアックに言うと、ドメーヌ・プス・ドールのスタンダードクラス
ってイメージです。

実はこのワインはノン・シャプタリザシオン(補糖をしない)で造られる
ブルゴーニュです。

シャプタリザシオン(補糖)は法律で認められていて、何もやましいことは
ないのに、なぜか疑問視する方も案外いらっしゃるようです。
ブルゴーニュやボルドーなどの名産地でも結構頻繁に行われるようです。

補糖したからといって、単純にワインは甘くはなりません。糖分は発酵により
アルコールに変わるので度数が上がります。

だからどうだということはありませんが、アルコール以外の要素、果実味
の大きさ、濃さ、タンニンや酸、並びに骨格の充実、そしてポテンシャル等の
要素が整えば、アルコール度数が高い方が全体のヴォリューム感を押し上げ
ます。ニュアンスも豊富になり、寿命も長くなります。

果実味に甘さを感じると、「このワインはシャプタリしてある。」
なんて、したり顔で言う人がいるらしいのですが、甘さと補糖の関係は
そんな単純なものではありません。


さて、補糖しないワインを味わってみてどうか?というと、
実はどうということもありません。補糖して造り手の目指すワインに近づく
のなら何も言うことはありません。「どうぞやって下さい」と思います。
私は造り手の判断を尊重します。

消費者は美味しければ買うし、美味しくなかったら買わない。
盲目的で厳しい意見でしょうが、それが真実です。
結局シャプタリザシオンを気にする必要性は見出せませんでした。


最後にひとつ爆弾発言?を付け加えておきます。
輸入元で現地買い付けなどに行かれる方のお話では、「自然派」といわれる
有名所でもグラニュー糖がたくさん積んである光景を見るそうですよ。
そのグラニュー糖をどう使っているかまでは分かりませんが。


コメント (2)
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