魅惑のワインと出会う100の方法

デイリーからカルトワインまで、日々探し求めては飲んだくれているワイン屋のおはなし。

今日は真面目よ。

2013年08月07日 | ワイン ~2020年
たま~にですが真面目になります。
広島の原爆の日でしたから。



「ニーメラーの警句」というのがあります。

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彼らが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった
(ナチの連中が共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった)
私は共産主義者ではなかったから

社会民主主義者が牢獄に入れられたとき、私は声をあげなかった
私は社会民主主義ではなかったから

彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった
私は労働組合員ではなかったから


彼らがユダヤ人たちを連れて行ったとき、私は声をあげなかった
私はユダヤ人などではなかったから


そして、彼らが私を攻撃したとき
私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった

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もちろん私は共産主義者でもなく、労働組合員でもなく、ましてや牧師でも
ありません。でもナチスはこうして忌まわしき姿となりました。


最近の世の中はちょっと怖いペースで国粋主義に傾きつつあるようです。
誤解してもらっては困るのですが、右、左とかまったく関係なく、国家と
個人の関係です。(右も左も過去にたくさんの戦争をしています)

個人の人権を薄めることで、国家主義への布石とするのでしょうか。
実は私はそれがとても怖いと感じています。

先日放送された「二十四の瞳」とか、原作も読んだし、何回もいろんな放送を
見る度に心が痛んで泣けてしまいます。


原爆の日につい怖い想像をしてしまいました。
この流れの中で、実はここに書けないほどの悪辣で恐ろしい企みも感じています。
もしかしたら核兵器よりも人の心の方が怖いという一面もあるかも、ですね。




さて気分を変えて、今夜はこれ。







2010 アネト ドウロ
  (ポルトガル、赤、千円台後半)


濃い色合いです。香りはスグリ、ブラックチェリー、熟したモモ、ジャムに
揮発性のハーブやメントール、赤土に赤い革など。


味わいは、濃く、奥行きもあって厚いフルーツがたなびきます。
まろやかでウェイトもあり、スパイシーで弾ける果実味と、程よい酸、きめが
細かく、きれいに溶け込んだタンニンは丁寧な造りを連想させます。
  
とても美味しいワインでしょう。
入れるかもしれません。なかなか良い感じです。



世界中のたくさんの方々が、ワインを愛し、心豊かに愛でる気持ち、世界各地
の栽培地の個性を認め合い、ブドウ品種も認め合い、尊重し合えばワイン戦争
は起こらずに・・・・・違う違う、でもそんな大人の広い心で、世界を眺めて
味わって、感じていただきたいと思います。


最後にひとこと。

「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな!」 ジミー・ヘン
ドリックス(伝説のロックギタリスト)

たいていの表現者、芸術家は心の支配を嫌います。私も同じです。


コメント
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