手帳なわたし

手帳オタクな私。若い時からその時々の生活のスタイルに合わせて手帳を選び、使い方を工夫してきました。私の今の究極をご紹介。

まーさんの帰りたいところ

2023-05-27 | 介護





「ねえ、今日はここに泊まるの?」

「いつ、帰るのかな?」

この質問が、ショートステイに行く前日、

まーさんの口から頻繁に出てきました。


「ここに住んでるだよ(静岡弁?)

「周りを見たらわかるよ。荷物は全部ここにあるでしょ?」

と夫。


「いやいや、そりゃそうだけど、あんたたち、それぞれ家があるでしょ?」

「そこにいつ帰るの?」


「どこに帰るつもりなの?」


「いや、お父ちゃまやお母ちゃまのところだよ」

「待ってるから」


「いやいや、お義母さんは93歳だよ。

お義母さんのお父さんやお母さんが生きてたら

もう120歳とか130歳とかだよ。

そこまで生きている人、この世にいないよ」

「もうみんな亡くなってるよ。

わたしの父母でさえもういないもの」


そういうと、頭を右左に動かして、そうかなあ〜と考え、

「確かにそうだね〜」

「わたしゃ、ボケたのかな」

「よくわからなくなっちゃった」

とまーさん。


「あんたにこの話を聞かなかったら、

わたし、家を出て帰ってしまってたかも」。


「お義母さん、その話してくれたから、

わたしがお義母さんを止めることができたけど、

黙って出てしまったら、

帰るところがわからなかったかもね」

「多分、夢の中でよくお父さんやお母さんと

おしゃべりしてるから、

その夢とゴチャになってるんじゃないの?」

とわたし。


一度はこういうやり取りで決着するのですが、

実はここで話は終わらず。


ものの数分で、

「あんた、いつ帰るの?」

とまた最初から。


何度言って説明しても、

結局はまた振り出しに戻るし、

お互いの負担も増えるから、

こういう時は、

「今日は泊まるよ」「明日帰ろうね」で良いのでしょうね。


わかっちゃいるけど、

わかってほしいと思いがちなわたしたちです。



今回、彼女を不安にした原因は、

「明日からお泊まりに行くよ」と告げたことから。

夫は黙って行かせるのはかわいそうだと、

一応きちんと伝えたいと思うようで、

ホワイトボードに伝えた後、文字でも書いたものだから、

その後は「これは何?」

「どこへ行くの?」からスタートして、

「帰らなきゃ」というところになってしまったようです。


それでもうちのまーさんは、

足が悪いから、出ていってしまうということはできず

ある意味、助かっているかもと思います。


杖をついて歩けていた頃は、

夕方いつの間にか外に出て、

道路の真ん中でボーッと空を眺めていたこともあり、

ひやっとしたのも何度か。

暗がりなので、人が立ってるのも遠くからは見えず、

車が通る道なので、とても危険なのです。


徘徊って、夕方によくあるようで、

それは不穏な気持ちになるからだそう。


周りのものがバタバタしているようだと、

落ち着かなくなると聞いたので、

まーさんの帰ってくるまでに夕食準備は済ませ、

まーさんが帰ってきてから食事までの時間、

静かに過ごすようにしたら、

夕方の生活に落ち着きが出てきたような気がしています。



ただ、

本人の気持ち的には、

ここを仮住まいと思っているのですね。



まーさんの帰ろうと思っている家は、

幼少期の時に住んでいた家。

お父ちゃま、お母ちゃま、

お姉ちゃま、お兄ちゃまと一緒に住んでた家みたいです。

今もそこに変わらず家族がいて、

自分はその家から出てきていると思っているのです。

それだったら、

帰りたいと思う気持ちもわかるような気がして。

自分の人生で一番楽しかった頃なのでしょうね。


まーさんのそんな姿を見ていて、

「自分たちならどこに帰りたいと思うのだろうね」

夫とそういう話をしました。

やはり生まれ育った家なのかな。


まーさんがあれほどまでに帰りたいと思う幼少期の環境。

愛されて育ったからかもと思うと、

「幸せな人だなあ」と羨ましくも思うのでした。




↓二つのランキングに参加しています。
手帳に限らずそれぞれポチッと押して応援してくださると嬉しいです。
励みになります。


コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする