どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(15)

2007-09-02 01:07:13 | 昆虫

      夏の忘れ物(ムシヒキアブと青虫の写真)

 今年の夏は、北軽井沢でも31度を記録した。
 けっこう蒸し暑さを感じる日があった。いつまで残暑が続くのだろうと、心配になるほどだった。

 ところが8月の最終週は一気に気温が下がって、日中でも22度といった日が多くなった。
 秋の訪れは急であった。夏が戻ってきたとしても、おそらく居心地が悪いだろう。

 空には秋の雲が刷毛の跡のようになびく一方、山の肩から入道雲がポコンポコンと顔を覗かせた。
 草津白根の見える丘には、すすきと月見草が風に揺れていた。
 野の草たちも、草津白根の山並みを眺めているように見えた。

 モロッコいんげんの収穫もそろそろ終わりになる。
 次の楽しみはジャガイモ掘りだ。茎が枯れてもまだ土の中で成長してると聞いたから、もうしばらく太らせてみる。

 野菜は知り合いからの貰い物が多い。
 トマト、とうもろこし、キャベツ、レタス、なす、かぼちゃ。
 庭に椅子を5,6脚置いてあるから、よく人が集まってくる。

 手造りの炉で火を焚き、薬缶をかけてしゅんしゅんと奔り出すのを待つ。時には金網の上で、薬缶がほんとうに走り出す。
 蒸気機関の原理が、頭を使わなくても解る。と、いうより、車輪を付ければそのまま蒸気機関車だ。

 オープンカフェのように、話がはずむ。
 安価なティーパックやインスタントコーヒーしかないが、温かい飲み物は心をひらく。
 アイちゃんも、クーちゃんも、ポンちゃんも、散歩の途中に寄っていく。みんな近所の犬たちだが・・・・。

 明け方は寒いぐらいだ、と意見が一致する。
 早くも冬のことを考えている自分がいる。季節の移り変わりが、わけもなく寂しい。

 ふと季節の忘れ物に気づいた。
 青虫をひっぱるムシヒキアブの写真だ。
 取り込めなくて悪戦苦闘をしていたが、思い直して二度目に撮った画像で試みたら嘘のように成功した。

 急遽、季節の報告書とともに投稿することにした。
 最初の青虫より小柄だが、それでもアブの1.5倍はある。
 うまく緑色が出ているか心配だが、こちらの技術では精一杯だ。ご了承願いたい。

 

 

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2 コメント

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オープンカフェの庭で! (知恵熱おやじ)
2007-09-02 10:03:07

オープンカフェの庭に寄っていく通りがかりの知人。
楽しい会話が聞こえてくるようですね。
ワンちゃんも交流かアー。


憧れの生活ですねー。
これぞ人間の生活だよなー。
お元気でよい小説をお書きください。

ムシヒキアブは写真の右下でしょうか?はっきり分かりませんでしたが、、、。
あまり知恵のない知恵熱おやじ
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真ん中の黒い部分がアブ (窪庭忠男)
2007-09-02 12:43:05
知恵熱おやじ様

画像がぼやけてますが、真ん中の黒い部分がムシヒキアブで、その下の棒状のものが青虫です。
 やはり緑が消えて茶色っぽくなっていますね。
 元の画では緑色が写っているのですが・・・・。
 これからいろいろ勉強です。
 またアドバイスお願いします。
 
       
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