どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

どうぶつ・ティータイム(28)

2007-10-25 00:05:00 | ドライブ

     黄葉の高峰高原

 昨日も、連日の氷点下になった。
 嬬恋村では霜が降りたとラジオで言っていたが、隣接する当地でも零度で作動する凍結防止のニクロム線が早々と動いたから、蛇口から出る水の温度でそれとわかったのだった。
 
 好奇心で朝六時に戸外の気温を確かめると、やはりマイナス2度になっていた。それでも不思議なことに、あまり寒いとは感じないのだ。
 東京でこの温度だったら、たぶん震え上がっていただろうと思うのだが、どういうわけか寒さの質が違うような気がする。

 それはともかく、気象予報で快晴は今日までとしきりにいうものだから、近場の紅葉スポットを探索することにした。
 二日続きの寒さで、浅間山のてっぺんも薄っすらと白くなっている。国道146号沿いのもみじも一気に紅くなり、いよいよ最盛期を迎えたようだ。

 好きなルートのひとつに浅間サンラインがある。ときどき道の駅『雷電』までドライブして、雄大な浅間山麓の景色を楽しむのだが、今日は途中から高峰高原に向かうルートをとり車坂峠を目指した。
 この山は初めて訪れたため見るものみんな珍しかった。道中の樹相は自然林そのもので、紅葉よりも黄葉の美しさに見惚れた。

 写真は車坂峠にある高原ホテルの建物を、手前二キロの地点から望見したものである。
 陽光を浴びて白く輝く建物と黄色に色づいた樹林の取り合わせが、往来の少ない道路の向こうに広がっている。

 案外、頂上に到達してしまうよりも、少し手前で上を見上げる位置が一番のビューポイントかもしれない。
 高所のレストランから下界を見下ろすのを快感と思う人もいるだろうから何ともいえないが、個人的にはこの場所で広げた弁当が近頃最上の美味に感じられた。

 帰り道も同じコースをたどった。
 高峰温泉にも、浅間登山道にも向かわなかったが、いずれ予定を組んで行ってみたいところだ。
 雲の上にわずかに頭を覗かせる高峰はなんという山だろう。無理に調べなくてもいずれわかる時が来るだろう。

 標高二千メートルの高峰高原のどこかに、マツムシソウの群生地があるらしいが、そのつど訪れれば良いと思った。
 そんな気持ちにさせる素朴な山だった。
 さほど開発の手が入っていないことも、清らかな空気を保っている一因かもしれない。

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