蒲萄安芸クィーンや藤稔が収穫期を迎えたが、どうも房の中で一粒一粒に熟し方に差があり房ごと切り取ることが出来ない。なかなかうまく行かないようだ。そうした訳で、このところ毎日粒ごと採って愉しんでいる。
【語り部】ノミ・シラミ
芭蕉は紀行文「奥の細道」の中に「蚤虱馬の尿する枕もと」とこんな句を詠んでいる。これは江戸時代の話である。だが、このノミ・シラミに悩まされた戦中・戦後の子供時代もあった。女の子は毛ジラミに罹った者もいた。お猿さんのように互いにシラミ摂りしている姿も珍しく無かった。あらゆる面で物不足で極端に衛生状態が良くなかったためである。
衣類など熱湯消毒して着替えても押しくらまんじゅうなどの遊びで友から移されるのでなかなか根絶できなかった。戦後DDTが使われ初め効果があったようだが、我が家などは蚕(室内)を飼っていたのでそれを使うことをためられたように想う。街に出かけると浮浪者などには強制的にDDT散布されているのをみた記憶がある。また、病院に入院したとき南京虫が這っているのを目撃したのを記憶している。もっとも衛生状態に気を遣う病院でさえこの有様であった。