著者の奥野宣之さんは処女作となる『情報は一冊のノートにまとめなさい』という知的生産ノウハウ本で、いきなり年間ランキングのベストセラーを出された作家です。この新作でこれまでの業界誌ライターから専業作家として立たれたようです。
前作と同じように自らのライターとしての体験に裏付けられた、情報整理と効率的アウトプットを目的に、新書というスタイルの出版物の利用法を披瀝しています。何気なく一般の単行本と区別無く読んでいた新書ですが、指摘されてみると成るほど確かに、新書の入門書的な位置付けに着目するのは、情報収集の効率的な方法の一つかも知れません。
先ず興味を持つテーマについて書かれた、3冊の新書を同時に読むことを薦めています。そして、新書の分類に基づくその3冊の新書の選び方や、スピード・リーディングによる重要ポイントの絞り込み、また自分の意見として内面化するなど、使える情報源として新書が活用されています。
ところで、この本も新書で出された方が面白かったのではないかと思いました。印税は少なくなるかも知れませんが‥‥。
以来僕も改めて新書コーナーを見ることが多くなり、『平成経済20年史』という大変面白い本にも出会いました。これは日本バブルから現在の世界バブルのW崩壊まで、平成20年間の経済史を俯瞰し、いかに財務省(旧大蔵省)と日銀の政策が的外れの連続であったかということが、とても平易な文章で分かりやすく書かれたものです。
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![]() | 平成経済20年史 (幻冬舎新書 こ 9-1) 紺谷 典子 幻冬舎 このアイテムの詳細を見る |