現実に海外で通用する英語を習得するための技術を、日頃学会や論文で海外と交流している理系の達人にインタビューするという方法論で展開した本。
理系の巨匠を選んだのは、元来は英語が好きじゃなくても仕事のために日常的に英語を使わざるを得ないという素質・環境と英語についても科学者としての目で分析論証してくれるという期待から。インタビューを受けるのはきたやまおさむ(精神科医)、小柴昌俊(物理学者)、養老孟司(解剖学者・脳科学)、日野原重明(医師)、海堂尊(病理医・死亡時画像病理診断普及キャンペーン)、隈研吾(建築家・プレゼン)の面々。
大事なのは語彙や発音や文法ではなく話したい中身があることというのが概ね共通していますが、それぞれに違った視点で語られているところが興味深い。
日本ではいい方に違っていると強い羨望と妬みの対象になりけなされ嫌われる、英語が巧い人を妬むからモデルを失い英語が巧くならない、日本人で英語がしゃべれるようになった人の中から適切なモデルを見つける必要がある(きたやまおさむ:37~43ページ)という話は、やはりなるほどと思います。
日本語は言語運動がおとなしいため日本人は首から上の運動が弱く表情も乏しい、ボディランゲージには文化的に厳しい規制がある、それで日本人は外国人とのコミュニケーションが苦手、そこを本格的に練習すると文化的には日本人じゃなくなってしまう(養老孟司:93~100ページ)とかも、考えさせられます。英語ができない言い訳にうまく使えそうでもありますが。
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原賀真紀子 朝日新書 2009年8月30日発行
理系の巨匠を選んだのは、元来は英語が好きじゃなくても仕事のために日常的に英語を使わざるを得ないという素質・環境と英語についても科学者としての目で分析論証してくれるという期待から。インタビューを受けるのはきたやまおさむ(精神科医)、小柴昌俊(物理学者)、養老孟司(解剖学者・脳科学)、日野原重明(医師)、海堂尊(病理医・死亡時画像病理診断普及キャンペーン)、隈研吾(建築家・プレゼン)の面々。
大事なのは語彙や発音や文法ではなく話したい中身があることというのが概ね共通していますが、それぞれに違った視点で語られているところが興味深い。
日本ではいい方に違っていると強い羨望と妬みの対象になりけなされ嫌われる、英語が巧い人を妬むからモデルを失い英語が巧くならない、日本人で英語がしゃべれるようになった人の中から適切なモデルを見つける必要がある(きたやまおさむ:37~43ページ)という話は、やはりなるほどと思います。
日本語は言語運動がおとなしいため日本人は首から上の運動が弱く表情も乏しい、ボディランゲージには文化的に厳しい規制がある、それで日本人は外国人とのコミュニケーションが苦手、そこを本格的に練習すると文化的には日本人じゃなくなってしまう(養老孟司:93~100ページ)とかも、考えさせられます。英語ができない言い訳にうまく使えそうでもありますが。
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原賀真紀子 朝日新書 2009年8月30日発行