児童相談所で子どもたちの相談を聞いている著者が、子どもたちが大人を「ウザい」という時を並べ上げ、大人はどうすればよいかを論じた本。
大人が子どもの思いを理解していない、理由を聞かず信じず決めつける、大人が手本を見せず悪い例を見せているなどのケースが続いていて、なるほどと思う反面、でも自分たちのことを理解していないと大人をウザいという子どもがその大人のことを理解していない場面も多々あるわけで、コミュニケーション不足が基本なんでしょうねと思います。
もちろん、大人は過去に子ども時代を経験してきたわけだから、都合よくそれを忘れないで自分が子どもの時にどう思っていたかを思い出すべきだと思いますけど。
私たちが子どもの頃に比べて、インターネットと携帯電話が普及した今の子どもたちはより陰湿で巧妙ないじめの武器を持ち、人間関係は不安定になって「親友にだけは本音が言えない」(156~165ページ)とかいう指摘は、考えさせられます。
「私達大人は、明日からほんの少しだけ子どもを信頼して、子どもへの指示や命令を減らしてみても良いのだと思う。そして、子どものために使っていた時間を、自分自身が楽しむ時間へと変えてみてはどうだろうか。そして同時に、子どもの将来の幸せのためにと使っていた時間を、子どもと一緒に楽しむ時間へと変えてみてはどうだろうか。」(174~175ページ)、つまり子どもの将来を思って叱咤激励することよりも現在の生活の充実を考えた方がいいんじゃないかという提言や「子どもの頃に会いたかった大人になろう」(175ページ)という提言は、いいなぁと思います。
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山脇由貴子 ちくまプリマー新書 2010年4月10日発行
大人が子どもの思いを理解していない、理由を聞かず信じず決めつける、大人が手本を見せず悪い例を見せているなどのケースが続いていて、なるほどと思う反面、でも自分たちのことを理解していないと大人をウザいという子どもがその大人のことを理解していない場面も多々あるわけで、コミュニケーション不足が基本なんでしょうねと思います。
もちろん、大人は過去に子ども時代を経験してきたわけだから、都合よくそれを忘れないで自分が子どもの時にどう思っていたかを思い出すべきだと思いますけど。
私たちが子どもの頃に比べて、インターネットと携帯電話が普及した今の子どもたちはより陰湿で巧妙ないじめの武器を持ち、人間関係は不安定になって「親友にだけは本音が言えない」(156~165ページ)とかいう指摘は、考えさせられます。
「私達大人は、明日からほんの少しだけ子どもを信頼して、子どもへの指示や命令を減らしてみても良いのだと思う。そして、子どものために使っていた時間を、自分自身が楽しむ時間へと変えてみてはどうだろうか。そして同時に、子どもの将来の幸せのためにと使っていた時間を、子どもと一緒に楽しむ時間へと変えてみてはどうだろうか。」(174~175ページ)、つまり子どもの将来を思って叱咤激励することよりも現在の生活の充実を考えた方がいいんじゃないかという提言や「子どもの頃に会いたかった大人になろう」(175ページ)という提言は、いいなぁと思います。
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山脇由貴子 ちくまプリマー新書 2010年4月10日発行