作者得意の女性刑事シリーズの1つ「魚住久江シリーズ」の長編第1作とされる警察小説らしいのですが、酒屋の配送員/中華料理チェーン店副店長の中年男の中国人キャバクラ嬢との不器用な純愛ドラマとみた方がいい作品。
村瀬の瑶子/楊白瑶に寄せる思い、ただ定食屋にいる姿を眺めること、定食屋でともに食事をすることで満たされ癒される心情とときめき、自らの出自・境遇とキャバクラ嬢として/上司の愛人としての瑶子への屈折した思いからくる卑下と自虐の繰り返しが、哀しくも切ない。こういったささやかな幸せを求める気持ち、おじさんになると、よくわかる。そのささやかな幸せにもなかなか手が届かないことのもどかしさとそれに卑下してしまう情けなさも。そういう切なさともどかしさを味わう作品だと思う。
ミステリー仕立てではありますが、その行先は何となく見えてしまい、そこにポイントを置いて読むと、なんだと思うでしょう。
誉田哲也 新潮文庫 2016年3月1日発行(単行本は2013年2月)
村瀬の瑶子/楊白瑶に寄せる思い、ただ定食屋にいる姿を眺めること、定食屋でともに食事をすることで満たされ癒される心情とときめき、自らの出自・境遇とキャバクラ嬢として/上司の愛人としての瑶子への屈折した思いからくる卑下と自虐の繰り返しが、哀しくも切ない。こういったささやかな幸せを求める気持ち、おじさんになると、よくわかる。そのささやかな幸せにもなかなか手が届かないことのもどかしさとそれに卑下してしまう情けなさも。そういう切なさともどかしさを味わう作品だと思う。
ミステリー仕立てではありますが、その行先は何となく見えてしまい、そこにポイントを置いて読むと、なんだと思うでしょう。
誉田哲也 新潮文庫 2016年3月1日発行(単行本は2013年2月)